「ターミネーター続編のもやもやが晴れ渡る」TENET テネット バスト・ラーさんの映画レビュー(感想・評価)
ターミネーター続編のもやもやが晴れ渡る
タイムトラベル系SF全部のせボリューム増し増し増しの時間延長と言った感じ、見ごたえ充分満足度No.1(笑)
“逆行”はフィリップ・K・ディックの逆回りの世界からの発想か、そうならいいなぁ
序盤から「三次大戦の阻止」だの「人類滅亡の危機」だの結構なお決まりワードが、わぉ!お、王道~
でも思えばノーラン監督てバットマンではクリーンエネルギーが核のメタファーだったりインターステラーのエウレーカ!のシーンだったり、シックな映像とストーリーテリングで誤魔化してるけどテーマ事態はちょっと古いというか、ステレオタイプなこと多いのかも、分かりやすいテーマなのにカッコいいギミックで捻ってある所がオタクに好かれてるイメージ(皆大好きダークナイトジョーカーもラノベの天才系強キャラみたいだしね)
さて、昨今のタイムトラベル系SFは、まずバックトゥーザフューチャーは嘘だよって所から入ります、過去を変えても多元宇宙が増えるだけで“祖父殺し”は成立しないよ、てやつですね
誰もが知る名作を引き合いに出すのはそれだけBTTFが偉大な証拠なので問題なしですが、もうひとつのタイムトラベルの金字塔を忘れちゃあいませんか、
そう、ご存知『ターミネーター』ですよ旦那、もちろんノーランは忘れてなかった、
SF詰め合わせな『テネット』ですが、かなり強めにターミネーターを意識した作りになっていると思います
映画好きでオタクの端くれならばターミネーターの続編が出来れば一応はチェックするのが嗜みてなモンで、それなりに楽しめもするのですが、金曜ロードショーで放送する2を見るたびに(ここで止めてりゃよかったのに、、)と思ってしまいます※個人の意見です
そもそも、こいつさえ殺せばスカイネットの勝利、だから未来からわざわざ殺人ロボットを送り込む、というのが大前提なのに続編が出来てもジョンが全然活躍しない、そりゃあ主役なので飛んだり跳ねたりはしますが、“全滅寸前の人類を勝利の一歩手前まで導く救世主”と結び付かない、でも前提は覆せないジレンマでもやもやしっぱなしです、しかもジェームス・キャメロン監督すら放り投げちゃったからもうどうしようもないです
その解答がテネットにはあると思います、しかもベストアンサー
ノーラン絶対オタクだから(偏見)ノーランももやもやしてたんだと信じてる
散りばめられた伏線がやけにわざとらしいかなと思ったけど(空港のマスク逆行マン、カーチェイスのシーンなど)それすらラストの落ちへの伏線に思える
それまでの入り組んだ時間軸のトリックから一変、携帯電話ひとつで“主役”から“黒幕”に違和感なく移行させた手腕に脱帽しました
100点!と言いたい所だけれど、前半単調なのと、画面が地味(逆行と通常の爆破などで工夫はしてたけど)だったので星3.8くらい
良くも悪くもノーラン作品だった
映画なんてフィクションで作り物なのに本物の爆破にこだわるのは何なのかねえ、それで迫力なくなったら本末転倒だと思うけど、CO2も出るし