「まったく解らないのに面白い」TENET テネット Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
まったく解らないのに面白い
「そういえば《インターステラー》もノーランだったか」と観てて思い出したの。《インターステラー》は「なんか相対論の話だな」「時空だから四次元空間を表現してんだな」と思いながら観て少し解った気になったんだけど、この《TENET》は全然わからない。
物理法則には時間の項が含まれないから、時間が逆向きに進んでも成立すんだよね。ただ、エントロピーが増大する方向に僕らはいて……みたいな話があった気がする。そこを使ってるっぽいの。
それで時間を逆行する人と順行する人が、同じ時間に存在すんだけど、そんなの想像できないよ。この話つくった人は想像できたのかな。
それで、理論的なところの理解は放棄して観るんだけど、それでも面白いのね。なんだか解らないことが展開してるのに、観てると面白い。シーンの力で引っ張ってくのがすごいと思ったよ。
エリザベス・デビッキの謎の女感がすごく良くて利いてるね。
あと時々「そうか、あれは未来のアイツだったのか」が解る演出が入ってるのもいい。
撮影は「逆行と順行を合成したんだな」って思うシーンもあるんだけど、たまに役者さんが後ろ向きに歩いてるシーンもあるのね。そこが、なんか、可愛くて良かった。
一つ良く解かんなかったのが、逆光するときは酸素マスク付けるんだよね。『空気が肺を通らない』って説明だけど、だとしたら酸素マスク付けたって通らない気がするんだけど、どうなんだろ。まあ、付けないと、順行の人と逆行の人が解らなくなるから、付けてくれた方がありがたいけどね。
「時間って不思議だなあ」と思ったので、時間のことについて勉強しようと思ったよ。