劇場公開日 2020年9月18日

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「「感じろ」。「少し寝ろ」。親切だなあ、とおっさんは思った。」TENET テネット しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「感じろ」。「少し寝ろ」。親切だなあ、とおっさんは思った。

2020年9月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

序盤
逆行する弾丸の説明のシーンにて

「頭で考えるな、感じろ」

と本作を見る姿勢を示してくれる。

とりあえず変なアクションを楽しんでね、と。

後半
タイムパラドックスの説明になると、ニールは

「少し寝ろ」

と主人公を、いやオレたちに、ウトウトしながら見ても問題ないよ、と指示する。

断片的なミッションはもとより、目的は何なのか、すら忘れていいよ、と。

実際そうだった。

「テネット」





これまで以上に饒舌に「見る姿勢」を示してくれている、なんて親切だ。

本作は皆が思う通り、これまで通りの「007がやりたい」ノーラン映画だし、相変わらずアクションの見せ方はイマイチだが、コンサートホール、空港など、「本物を使った迫力」はこれまでのノーラン映画の集大成。

「ダンケルク」でようやく前向きに思えてきたのだが、その一貫性こそがノーランのすばらしさ。

以下余談。

・ブルックスブラザーズ

ノーラン大好き、サー・マイケル・ケインが鼻で笑う。

・ロバート・パティンソン

先日「悪魔はいつもそこに」の彼を見て、これ以上ない変態牧師に感動。本作のこの彼の役は、そこまで奥深い設定があるわけではないのだが、変態牧師を見た後なので、実に味わい深く見て「しまった」。いい役者。ブルース・ウェインが「もっと」変態になることに期待。

・ワシントン

デンゼルに似ても似つかぬ、ちんちくりん体形とボンドガールの嘘みたいなスタイル。

・タイトル

TENET。意味などどうでもいい。

「右から読んでも、左から読んでも」

このスペル見て、気に入っただけでしょう。

・オチ

タイムトラベルものには本当にデフォルトなオチ。これもノーランがやりたかっただけのこと。

・音楽

うるせえ。(これもいつも通り。)

しんざん