「「感じろ」。「少し寝ろ」。親切だなあ、とおっさんは思った。」TENET テネット しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
「感じろ」。「少し寝ろ」。親切だなあ、とおっさんは思った。
序盤
逆行する弾丸の説明のシーンにて
「頭で考えるな、感じろ」
と本作を見る姿勢を示してくれる。
とりあえず変なアクションを楽しんでね、と。
後半
タイムパラドックスの説明になると、ニールは
「少し寝ろ」
と主人公を、いやオレたちに、ウトウトしながら見ても問題ないよ、と指示する。
断片的なミッションはもとより、目的は何なのか、すら忘れていいよ、と。
実際そうだった。
「テネット」
・
・
・
これまで以上に饒舌に「見る姿勢」を示してくれている、なんて親切だ。
本作は皆が思う通り、これまで通りの「007がやりたい」ノーラン映画だし、相変わらずアクションの見せ方はイマイチだが、コンサートホール、空港など、「本物を使った迫力」はこれまでのノーラン映画の集大成。
「ダンケルク」でようやく前向きに思えてきたのだが、その一貫性こそがノーランのすばらしさ。
以下余談。
・ブルックスブラザーズ
ノーラン大好き、サー・マイケル・ケインが鼻で笑う。
・ロバート・パティンソン
先日「悪魔はいつもそこに」の彼を見て、これ以上ない変態牧師に感動。本作のこの彼の役は、そこまで奥深い設定があるわけではないのだが、変態牧師を見た後なので、実に味わい深く見て「しまった」。いい役者。ブルース・ウェインが「もっと」変態になることに期待。
・ワシントン
デンゼルに似ても似つかぬ、ちんちくりん体形とボンドガールの嘘みたいなスタイル。
・タイトル
TENET。意味などどうでもいい。
「右から読んでも、左から読んでも」
このスペル見て、気に入っただけでしょう。
・オチ
タイムトラベルものには本当にデフォルトなオチ。これもノーランがやりたかっただけのこと。
・音楽
うるせえ。(これもいつも通り。)