「【”封印して来た悲しみの真実を、何としても聞き出す!”今作は脳裏から消えないナチスの蛮行の記憶と、それを地下室で聞き出すために繰り広げられる、囚われた男と捕らえた夫婦とのサスペンスである。】」マヤの秘密 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”封印して来た悲しみの真実を、何としても聞き出す!”今作は脳裏から消えないナチスの蛮行の記憶と、それを地下室で聞き出すために繰り広げられる、囚われた男と捕らえた夫婦とのサスペンスである。】
ー 今作の原題は、”The Seacrets We Keep"である。-
■1950年代後半のアメリカ郊外の住宅街が舞台。
街中で男の指笛を聞いたマヤ(ノオミ・ラパス)は、ある悪夢が蘇る。
その男は戦時中に自分を暴行したナチスの軍人トーマス・スタインマン(ジョエル・キナマン)らしき男だった。
マヤは男を誘拐し、夫・ルイス(クリス・メッシーナ)の手を借りて地下室に監禁するが、トーマスと名乗るその男は人違いであり、自分はスイス人だと主張し続ける。
当時の忌まわしい記憶が曖昧なマヤは、自宅の地下室で自白を強要し続ける。そこに妻の言い分が正しいのか、疑念を持つルイスも加わるのである。
◆感想<Caution!やや内容に触れています。>
・今作のフライヤーが、いつものように手元に有るのだが(何枚、持っているんだ!という声が聴こえてそうなので、キッパリ書くが1000枚位である、多分。)そこに記載された惹句には、「この女の悪夢は<妄想>か?<現実>か?」とドドーンと書いてあるのである。
・物語が進む中で、マヤが夫にも隠していた自分がロマの民であり、第二次世界大戦中に、ナチスドイツに囚われ乍らも脱出するが、その過程でナチス兵に見つかり妹ミリアを含めて、乱暴された事が明らかになる。
・一方、トーマスもスイスからアメリカに入国し、夫ある女性レイチェルと結婚したために、警察には被害を届けられない事も、明らかになるのである。
・マヤはレイチェル(エイミー・サイメッツ)に会いに行き、その事実が本当であると知る。つまりは、トーマスは過去を捨てて平和なる家庭を築いていたのである。
<今作は、第二次世界大戦時の中で引き起こされた出来事により、深く傷ついた男女と、夫々の夫、妻の姿を描く中で戦争の悲惨さとその中で生まれた狂気を背景にしながら展開される、先が読めないサスペンスなのである。>