「子供同士に国境はない」ファヒム パリが見た奇跡 FMovさんの映画レビュー(感想・評価)
子供同士に国境はない
恥ずかしい話、バングラデシュ、と聞いて「インドの隣の国?」というくらいしか知識がなかった。
それもあってか、冒頭にファヒムの故郷であるバングラデシュが描かれるのだが、全てが新鮮で衝撃的だった。
国境越えや難民センターのシーンも、ただただリアルで息を呑む。
ファヒム達がフランスに移動してからは、両文化の違いが垣間見えて面白かった。例えば、バングラデシュではみんな遅刻するし、誰も待たない。フランスでは、英語で話すと受け入れてもらえない。
ファヒムは、どんどん言葉を覚えて友達を増やしていく一方、お父さんはなかなか文化に馴染めないままだ。大人になる=柔軟性がなくなるってことなのだろうか。
その象徴的なシーンが、ファヒムが急にナイフとフォークを使いだすのを、無言でじっと見つめる父。ちょっと物悲しい。
かと言って、お父さんは決して頭が硬いわけではない。一度聞いたフランス語は、(意味はどうであれ)ちゃんと記憶しているしね!
映画を観た後は、子供同士には国境なんて無いんだなぁと、つくづく感じた。境界線を引いたのは、大人だもんね。
改めて、難民問題について、深く考えるきっかけとなった映画。ありがとうございます。
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