「“アワーフレンド”、人はひとりでは生きられない。」Our Friend アワー・フレンド ムービードープさんの映画レビュー(感想・評価)
“アワーフレンド”、人はひとりでは生きられない。
末期癌の妻を看取る夫と親友の男。絶望の淵でのよすが、友情。人はひとりでは生きられないってよく言われるけど、まさにそうで、“友”の存在があることで如何なる苦難も乗り越えられる。コロナによる分断が驀進する現代において、改めて人と人とのつながりの意義を考えさせる。“アワーフレンド”というタイトルは、もちろん劇中の彼らのことを指すのかもしれないが、メタ的に観客にとっての身近な友を意味しているのかもしれない。そして、今作の魅力はなんといっても、見返りを求めず、仕事も、恋人との時間も、あらゆることを犠牲にし、友のために尽くす親友・デインの存在にある。彼の存在を心から愛したくなる。さらに、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のように、今回も悲哀に満ちたケイシー・アフレックの演技が素晴らしかった。心に深い傷を負った役が本当に似合う。
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