劇場公開日 2020年10月2日

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「こんな映画にしたのは誰だ」小説の神様 君としか描けない物語 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0こんな映画にしたのは誰だ

2021年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 残念なことにオッサンの心には斬りつけてこなかった。小説も映画もプロットが大切だと思うのですが、5章立ての中の最終章をどこかに落っことしてしまった印象だった。日本刀に喩えた文章は良かったし、その直後に野球のボールがガラスを割るなんて上手いと思ったのだが、そこまでだった。

 尚、いい作り方もあるにはある。モノクロームの中でスランプ状態にある千谷一也の沈んだ心情は伝わってくるし、小余綾詩凪との共作により世界が変わったかのようにカラー映像になる様子もいい。田園風景の中、二人が作業していたり、夕陽を強調するかのようなアクセントも見事なのだが・・・ダメだと感じたのはやはりプロットが原因か。

 タイトルが思い出せないけど、クライマックスで小説対決という作品もあったし、ナイーブ対ドSを打ち出すのなら、もうちょっと葛藤があってもよかったかな。主人公の父親もまた売れない小説家という設定もあり得ないというか、同じ轍を踏まないようにするのが普通だとも思う。

 高校生はまだまだ語彙力を高める年齢であり、作家性どうのこうのと言われるより、将来性を見極めるのが妥当だろう。人生経験がまだ少ないのだから、大胆さと繊細さには驚嘆するべきものがあっても、文章力も発達途中。誹謗中傷によって文が書けなくなっても、口頭で気持ちを伝えることができる!この展開は良かっただけに彼らの未来を予感させる何かが欲しかったなぁ・・・もひとつ残念だったのが和久井映見のアフレコが全然合ってなかったこと。かつての国民の妹(て言われてなかった?)も国民の母親になりつつあるので、今後に期待!

kossy