劇場公開日 2020年12月25日

「設定は面白い!しかし納得いかない展開も・・・」劇場版ポケットモンスター ココ RFさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5設定は面白い!しかし納得いかない展開も・・・

2020年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

川岸に流れ着いた赤ちゃん"ココ"を拾ったのは、ポケモン(ザルード)だった。ザルードの種族の掟ではよそ者と暮らすことはできない。赤ちゃんを見捨てることができなかった"父ちゃん"ザルードは、群れを離れて両親を探す。
そんな中、ザルードたちの住み家である治癒の泉を求めて人間が乗り込んできて・・・。

この設定はすごく面白いと思った。
ココはザルードに育てられ、心はザルードだが、体は人間である。技を使うこともできないし、ツタを使うこともできない。"父ちゃん"も実の親ではない。見た目が違うことなどからココも薄々感づいているが、"父ちゃん"から真実を伝えられた際にはやはりショックを受ける。しかし、やがて「自分が何者か」は種や血の繋がりがすべてではないことを悟る。自分は人間でもあるが、ザルードでもあり、"父ちゃん"は"父ちゃん"なのだ。

このストーリーは王道であり、いいメッセージだと思う。ところが、それを台無しにしてしまうシーンがある。ある瀕死のポケモンを助けるときに、ココが技を使えるようになってしまうという場面。信じれば人間でも技を使えるというのは無理があるし、自分が人間だと知る前、ザルードだと思っていたときは技が使えず、人間だと知った後に使えるようになるというのもおかしい。ここは「人間でもザルードでもある」のうちの「人間の部分」を使って助けるとか、もっと方法があったのではないだろうか。

回想シーンが頻繁に挟まれてテンポが悪かったり、悪役が治癒の泉に異常なまでに固執する理由がわからず狂人にしか見えなかったり、ロケット団の存在感が終盤希薄だったりと他にも気になる点がちらほら。
予告編はすごく面白そうだったが、実際に観てみると大人が感動できる作品とは言い難かった。お子さんと一緒に観るならありだと思いますが・・・。

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RF