「いろんな形の愛や絆」劇場版ポケットモンスター ココ KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
いろんな形の愛や絆
ポケモンの映画は去年公開のミュウツーの逆襲は思い出ある作品という事もあって観に行ったが、アニメーションの最新作となる多分中学生以来、15〜16年ぶりとなった。
今回は前売り券の特典が目当て購入し観る事となったのだが非常に優しい作品に出会える事ができ温かい気持ちになる事ができた。
今作では森に人間の赤ん坊が遭難してしまい、その子を見つけたポケモンのザルードが親代わりとなって赤ん坊を一人前の少年にまで育てる話しである。その少年はココという。
ただ一筋縄ではいかない。ザルードは森の王者として君臨し、同種族以外を縄張りに入れる事を認めない。それは他のポケモンに対してもそうである為ココの事ももちろん認めない。
その為ココを育てる事になったザルードは群れから離れ、森の隅でココと生活する事となる。
少年になったココはひょんな出会いからサトシとピカチュウと出会い自分が人間である事を初めて知り、ザルードとぶつかる。
そんな中、森にある神秘になる大木をゼッド博士が奪うことを企み、森を破壊する。
森を守るために最後はザルード、ココ、サトシとピカチュウそしてザルードの群れの皆んな、森に住むいろんな種類のポケモンたちが協力して森を守るお話である。
大きく言うのであればもののけ姫と似たストーリーとも言えるだろう。
この作品には色んな形の愛や絆が描かれている。
もちろんメインはザルードとココの親子の愛と絆。
そして一度はぶつかり群れから別れる事なったザルードの群れ達とココ、そしてココの父のザルード。
今まではザルードが森を支配し窮屈な生活を強いられてきた森に住むポケモン達とザルード達。
そして最後はサトシを代表する人間と森のポケモン達。
時には異なる存在を認め合えず相手を一方的に支配してきた事過去もあったが、一つの事件を互いに協力しそして芽生える愛や絆の表現がとても美しく、そして分かりやすく描かれていた。
もちろんこの作品は子供達がメインターゲットとなるため大人視線だともっとザルードとココの親子愛を丁寧に見たかったという欲もあるが、色んな愛や形を子供達でもわかりやすく描かれているこの作品の魅力だと思う。
単純明快な作品だけど、単純だからこそその優しい描写が大きなパワーとなり心に響いたようにも思える。
挿入歌なんかもとても作品とマッチしていて非常に心が温かくなった。