劇場公開日 2020年2月7日

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「邦題よどうした」スキンウォーカー Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5邦題よどうした

2023年5月28日
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「Lifechangr」の原題を持つ本作は、公開時に「スキンウォーカー」と題され、ソフト販売時に「寄生体XXX」というタイトルとなった、まさに題名どうりの作品である。「スピーシーズXX〜」という邦題の付いた、全くそれぞれの作品は別物で、続編でも何でもないなんちゃってシリーズのイメージを持ってしまうが、(恐らくマニアだけだが)もちろんそちらとも関係がない。日本版パッケージの裸体の美女が艶らしい侵略行為をする作品でもない為、場合によっては肩透かしであるだろう。本作の近いところは「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」だろうが、本作に登場するそれは異星人という肩書では無く、「そういう生き方の生命」というだけである。
誕生の秘密、目的、寿命等の情報は省き、一つの生命の営みを淡々と描いているかなり挑戦的な作品だ。この生物は乗っ取った人間の記憶を引き継ぐのだが、一貫してある女性に恋をしているという、なんだかロマンチックな展開を向かえる。どこか寂しさのこもった愛は静かに進んでいく。そんな作品にアホな邦題を付けるのはいかがなものかと思ってしまうが、鑑賞後はそんな気を忘れる位の暗い気持ちになっている。そう、この作品は終始暗いのである。抑揚無く続く主人公のあくせく乗っ取り先を探す様と、ずさんな遺体処理のシーンが続いてしまい、やや眠気が勝ってしまったのが正直なところだ。ザ・インディース映画という感じだが、最後の最後で登場するVFXはSFホラーファンならばニヤッと出来るものだろう。

Mina