「宿主を次々と変える寄生人間が一人の女性に恋をする」スキンウォーカー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
宿主を次々と変える寄生人間が一人の女性に恋をする
“彼”はエイリアンなのか?次々と宿主を変え、命と記憶を奪われた人間はミイラ化してボロボロになってしまい、やがて自分の体も腐り始めると次の相手を探す。エイリアンものではよくある展開ですが、どうも一味も二味も違った作品でした。
最初に登場するエミリーが、目覚めると隣に腐乱死体が横たわっていて、バラバラに切断して焼却する。さらに自宅に戻ると今度は夫ジェームズを殺す。正確には殺したというより肉体と記憶をもらって相手そっくりに変身するといった感じ。普通のSFやエイリアンと違う点は、一人の女性ジュリアに恋して、姿かたちを変えつつもジュリアに接近するという点。“彼”は幼い頃(50年代)に母親に寄生し、そこから男女問わず、宿主を変え生き続けてきたのだ。
風変わりなSFホラーに加え、鎮痛剤や抗生物質を飲むと腐敗を遅らせることができるものの早く宿主を変えるときにはコカインを摂取するという設定。ジュリアと上手く関係を持ちたいが、彼女はバーでいつも違う人に声をかけられるという認識で、“彼”としては今までの人間の記憶が詰まりすぎて大変・・・
意外な結末だったし、愛する人がいなくなれば長生きしてもしょうがないことを切々と訴えてきてるかのようでした。グロい映像のラストシークエンスに美しい音楽が流れ、奇異な運命には逆らえないという悲しささえも残る。そして、犬だけは“彼”をわかっているようだったし、犬と共に生きていくしかないのかもしれません・・・
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