劇場公開日 2020年2月21日

  • 予告編を見る

「ファンタジーだった」ドント・イット THE END Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ファンタジーだった

2023年9月18日
Androidアプリから投稿

怖そうなパッケージも、取ってつけた様な邦題も、ただの宣伝文句だった。本作はゴリゴリのホラーではなく、真っ向から描いたダーク・ファンタジー作品だ。子供時代にある出来事から心に傷を負った彼らが大人になり、蘇ったそれに苛まれるというストーリー。子供時代から大人にかけて2つの物語が展開される「IT/イット」を彷彿とさせる展開だが、両作品とも2時間以上の時間をかけて描かれた本家の様な緻密さは感じられず、所々で子供時代に暗転する構成で少々見にくい位だった。大人になってからの関係性もはっきりせず、夫婦となった2人は冷めきり、不気味な美術家になった友人とは何となく距離が離れている様に思えた。子供時代、実は主人公の弟が誘拐されているのだが、警察や保護者に言うことなく「絶対に忘れないと約束しよう」、「絶対に見つけ出そう」と子どもたちだけで解決してしまった過去がある。だからこそ主人公はテンション低めな警察官となり、友人は子供時代に見た"それ"の影響で胡散臭い美術家になったという繋がりはあるものの、いまいちストーリーに魅力がなくて物語が入ってこない入ってこない。終始細かな注文が多い感想だったが、終盤はやや切ない展開であり、1つの過ちで世代を超えてしまう"それ"の存在はとても怖いと思う。この手の作品はやはりギレルモ・デル・トロに任せるべきであろう。話をふっかけたら喜んで飛んできそうだ。

Mina