劇場公開日 2020年3月20日

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「孤独と想い出づくり」恐竜が教えてくれたこと 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0孤独と想い出づくり

2023年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ひょっとしたらSFなんだろうか、と思いながら、なかなか恐竜が出てこなくてハラハラしました(笑)。11歳の少年サム(ソンニ・ファンウッテレン)と少し大人びた少女テス(ヨセフィーン・アレンセン)がとびきりキュートでよかったですね!「地球最後の恐竜は自分が最後と知っていたのか?」、「末っ子の自分は、最後に死ぬから孤独に慣れる訓練が必要」とか、そういえば少年時代に似たようなことを想像して、勝手に悲しんだり、苦悩していたなぁと懐かしくなりました。児童文学を大人になって読むときと同じように、心の奥の方にあってすっかり忘れていたピュアな感情が蘇りました。ヘミングウェイみたいな老人ヒレ(ハンス・ダゲレット)とのちょっとしたエピソードが、この物語の大切なエッセンスになっていたり、脚本がとてもよくできていたと思いました。そしておそらくは、初長編作品となるステフェン・ワウテルロウト監督のこの物語(原作)への深い愛情が作品を通じて伝わってきて、すべてのシーンがとても愛おしく感じられました。エンディングも最高で、大好きな作品になりました。

赤ヒゲ