劇場公開日 2020年3月7日

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「変わらない生き様」ダンシングホームレス 生さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0変わらない生き様

2021年7月17日
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鑑賞方法:映画館

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知的

ホームレスといえど、結局変わらないんだな、と当たり前なんだけど思わせてくれた映画だった。何かホームレスと言われる人々のことをとてもフラットに撮っていて、もちろん彼らと監督との関係もフラットで、余計に、変わらない、ということを印象づけられた。
また舞台挨拶で監督が語っていた、路上生活の過酷さ(実際に真冬に寝食を共にしたそうで、寒すぎて、眠れなくて、本当に死ぬかと思ったそう)が、ある意味普通な私たちとの境界を描いていた。そして変わらないからこそ、本当の意味で好き好んで路上を選択する人もいないのではないか?それは出演者の一人が「路上は寒いし、痛いし、いいことなんてないんだよ!」に象徴される。

あと歯のない平川さんと監督の関係は秀逸。なんか2人の会話をただ見せられているだけなんだけど、なんかいい。とぼけたような監督の突っ込みも良かった。あと西成の最後の屋上のシーンは本当にこの映画のミソだと思う。
また彼らがホームレスによるダンス集団であるからこその逃れられない彼等の過去と、彼らの踊りの芸術性、そして現実、を自然にみせてくれるんだけど、観終わった後よくよく考えるとそのバランスがとても素晴らしかった。
そしてラスト、雨が降り注ぐ中、資本主義の象徴である無機質な新宿の高層ビル群を前に彼らが踊る。彼らの「生」がほとばしり、その姿にただただ眺めるのみの自分がいた。
そして涙が止まらなかった。
もう一度観たい。

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生