劇場公開日 2021年1月1日

「下ネタという概念が存在する退屈な世界」劇場版 生徒会役員共2 因果さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5下ネタという概念が存在する退屈な世界

2024年2月7日
iPhoneアプリから投稿

相も変わらず面白くもおかしくもない下ネタギャグが乱れ舞う80分。それでいて不快感がないのは、吐き出される下ネタがまるで呼吸のように作為性から解放されているからなのではないかと思いはじめてきた。

下ネタなんだからもっと露悪的にやったほうが効果的だというのに、本作は律儀にも空気系萌えアニメの文法を踏襲し続ける。出てくる単語や概念は確かにR18でしかないのだが、そこに流れる空気は春風のように穏やかだ。

下ネタという非日常へと飛躍するための最も常套な手段をここまで漂白し、敢えて日常の中に溶け込ませている作品というのはあまり見たことがない。そうすることにどんな意味があるのかは依然よくわからないが、とりあえず「異常なほど下ネタが繰り返されているにもかかわらず安穏とした世界」という現象それ自体は面白い。

マジでなんなんだろうこのシリーズは。

因果