ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版)のレビュー・感想・評価
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心温まるストレートな恋愛映画。あと、ジョゼが可愛い…。
心温まる正統派の恋愛映画。
すごい良かった!
登場人物達の心情、心の移り変わりがとても丁寧に描いてあった。
実際に自分が車椅子無しでは外出も出来ない身体だとしたら、ある日突然車椅子生活を余儀なくされたら、どうなってしまうんだろう。そういう感情移入の出来る作品。
車椅子の女性、ジョゼの感情豊かな表情がとても可愛らしい…。生まれつきの車椅子生活だからこその外の世界への不安と期待。様々な体験をすることで心を開いていく様子が見ててグッとくる。
あの辛辣な言葉遣いに関しては根本の性格によるところもあるのだろうけれど、そんなツンデレな態度しか取れなかった彼女が少しずつ自分の殻を破っていこうとする姿に愛おしさが爆発しそうになる。
だがやはり1番感情移入してしまったのは、恒夫が交通事故にあってしまった後かな。
これまでは自分がジョゼを励ます立場だった。
けれど、同じ立場になって初めて気づけることも多いんだろう。
「欲しいものに手を伸ばすことがこれだけ怖いなんて。」
希望を見せられることが怖い。
出来るかもしれないと思っていざ出来なかった時が怖い。
自分に期待して裏切られることが怖い。
そんな恒夫にジョゼが作った紙芝居。
失いかけていた希望を一気に引き戻すほどのパワーがあった。紙芝居単体だけでも語り継いでいけるんじゃないかなってほど。
ストーリーも、作画も、登場人物たちも
全てが美しくて綺麗で、真っ直ぐな良い映画でした。
主人公の声優の中川大志君も清原果耶ちゃんも、
本業が俳優とは思えないくらい違和感なく上手でとても良かった!
私事ですが、昨年まで大阪に居たのでそこも相まって楽しめつつ観れたのも良かったな。
藤津亮太さん、ありがとう!
全く観る気がなかったのだけど、アフター6ジャンクション #utamaru #アトロク で藤津亮太さんがオススメしていたのを聞いて、あの藤津さんが勧めるのなら…と思って観ることにした。
結論:観てよかった!
ボーイミーツガール&ツンデレ&難病(ハンデキャップ)という組み合わせは、決して珍しくはないけど、描写の精密さや表情の豊かさ、声の演技の巧みさなどが相まって、最後まで楽しく見ることができた。
クライマックスのシーンは、涙が溢れて止まらなかった。
海+ハンデキャップ=人魚姫というモチーフは類型的とも言えるけれど、その一歩先を描いていたのがよかった。
このジャンルの良作がまたひとつ増えたと思う。おもしろかった!
ピュアなラブストーリーに生まれ変わった傑作
「想像してたんと全然違う」
「いい方にや」
いい意味で裏切られました。
別物にして、胸がキュンキュンするタイプの傑作。
原作や実写映画にあったエロティックさをすっぱり切り捨て、20代前半男女のピュアなラブストーリーに生まれ変わっていました。
ジョゼの想像する海のような世界をビジュアル化するなど、アニメーション表現にした意義もありました。
お勧めします。
怖い虎と綺麗な魚たち
脚の不自由なジョゼはお婆ちゃんと暮らしてる。
そこにひょんなきっかけからジョゼの相手をするバイトをする事になった大学生の青年が来て、ジョゼのわがままに付き合ってるうちに・・・ってな話。
青年の夢を追う姿、ひねくれてたジョゼがだんだん変わっていく様子・・・など良かった。
虎と魚たちってなんだろうって観てたら途中で、なるほど、と判り納得した。
声優の清原果耶と中川大志が良かったし、関西弁も良かった?のかな。
再度実写版を撮るとしたらこの2人で合いそうな気がした。
ロマンスもあり良い作品でした。
どこか御伽話のようで
原作未読、実写版未視聴の身としてはとても楽しめました。
その違いについて否定的な意見も拝見しましたが私的には今作は一作品として今の時代背景やアニメならでは表現の美しさなど、とてもよく作り込められていたと思います。
また主役二人の声もとても良かったです。
実写版も観てみようと思います。
うん、良作
劇場版鬼滅の刃の影に隠れてしまってはいるが、今年は良作のアニメーションが多い!
お人好し青年とワガママ娘のお話ですが、「何事も経験」「百聞は一見にしかず」を改めて教えてもらった気がします
また観たい作品となりました♪
観て良かったと心から思える作品
予告編を見て少し気になり、迷った末に行ったのですが、映画が終わった瞬間、観て良かったという気持ちと、もっとこの二人の物語を見たいという気持ちになりました。
シリアスなテーマを扱った作品で、登場人物も色々な葛藤がありますが、それが重くなりすぎず、作品としての面白さやテンポの良さが損なわれずにキャラクターに感情移入出来ました。特にジョゼの揺れ動く感情の描き方は素晴らしかったと思います。
ストーリーやキャラクターはもちろん、大阪の街をリアルに描いた映像美、主演二人の演技(声優でないのが信じられないほど上手いです)、そしてEveの「蒼のワルツ」、全てが素晴らしかったです。
私のように観ようか迷っている方がいたら、全力でオススメしたいです。きっと観て良かったと思えます。
言葉の多義性を存分に生かした見事な作品
フランソワーズ・サガンの小説は、有名な「悲しみよこんにちは」「ブラームスはお好き」それに「熱い恋」を高校生のときに翻訳で読んだきりだ。濫読、多読、卒読の時期だったこともあって、内容は憶えていないし、心に残る言葉もない。本には相性というものがあり、自分に合う著者と合わない著者がいる。同じく高校生の頃に読んだ本では、ニーチェやショーペンハウエル、サルトルなどの本の言葉は記憶に残っているのに、サガンについてはまったくの白紙である。本作品では清原果耶がとても上手に声優を務めたジョゼが、自分の部屋でブツブツと、おそらくサガンの小説の言葉を呟くシーンがあるが、ちっとも響いてこない。サガンを憶えておけばよかったと思った。
原作の田辺聖子は古くはSF作家の筒井康隆と交友があったようで、筒井の本に「おせいさん」と呼ばれて仲間から親しまれていたと書かれていたと思う。本作品の原作を書いたのは1984年、おせいさんが56歳のときだ。社会的にセンシティブな問題を人間の生活に直接的に結びつく問題として正面から扱っている。作家はときとして蛮勇を発揮して批判を恐れずに小説を書かなければならないことがある。おせいさんは勇気のある作家であった。同時におちゃめな人でもあって、主人公の名前を連合赤軍のテロリストと同じにしたのはおせいさんの悪ふざけかもしれない。
本作品は優れたラブストーリーだ。真っ直ぐな青年恒夫と自由を求める不具の女性ジョゼを中心とした半年程度の人間模様を描く。恋愛には邂逅が必要だ。本作品では出逢いの場面、求める自由の舞台が海であること、そして再度の出逢いの場面と、3つの邂逅が描かれる。ご都合主義だと言われるかもしれないが、大恋愛には奇跡が必要なのだ。
原作を軸として大きく想像を広げて上手に脚本を書いていると思う。担当した桑村さや香さんは、いじめを扱った問題作の映画「滑走路」でも脚本を書いていて、言葉の選び方がとても上手だ。ここではこの言葉だろうと思う台詞をど真ん中できっちり書く。変に飾らないところがいい。人が死んだら「死んだ」「亡くなった」と書けばいいのであって「魂が天に召された」などと書くものではない。その点、桑村さや香さんはよく分かっている。
本作品も直球の言葉ばかりで無駄がない。観客はどこまでも想像力を広げられる。だから観客それぞれの想像と実際の映像が重なって、多くの人が感動する。そして人生に前向きになれると思う。人それぞれの感動をひとつの作品で湧かせるのだ。言葉の多義性を存分に生かした見事な作品である。
まさかとは思ってはいたが、マジでやりやがったな
アニメ版は原作、実写を見ている人と、そうではない人でかなり意見が異なる作品ではないかと思っています。
私情を抜きにするならば星三つを与えても良かったのですが、そうはいかないため星二つにしました。
私がアニメ版を見るに至って一番心配していたことは、毒気のようなもの、つまりは障害者を取り巻くリアルが取り払われてしまうのではないかということでした。
そしてその心配は見事当たりました。予告を見ていた時点でなんとなく予想はしていましたがね。
この作品が描いているのは主に2つであり、それはもちろん恋愛と障害者です。
実写と原作では特に障害者という社会のマイノリティに焦点を当てることに力を入れていたことは、見たことがある人には分かると思います。
障害者差別ももちろん描いていましたが、同情しながらもそれはある意味では憐れみとも捉えられる悪気のない健常者の言動。そして障害者への性的被害。
こうした障害者の残酷でリアルな現実がどちらでも描かれていましたが、アニメ作品においては途中からはほぼ皆無でしたね。単なる恋愛アニメじゃねぇか。なんで障害者をテーマに扱ったのか。
私が本気でちょっと待てよと思ったのは、主人公の恒夫が事故に遭ったシーンです。このアニメは最初はヒロインのジョゼが差別にあう姿を少しは描いてはいましたが、恒夫が事故に遭ってからは、恒夫がいかにそれを克服するかに話の軸がすり替わりました。
え?てなりましたね。いやもうジョゼの障害についての話はどうでもいいの?そりゃ事故も大変だけどさ、障害についての悩みや葛藤はここで終わりってか?いやいや、そんな軽々しく扱っていいような内容なのかね。マジでなんでそんな話の展開にした?
ここが一番気になりましたね。
本作品の話はここまでにしておいて、最近の劇場版アニメに顕著ですが、わかりやすい・泣けるのこの2つに拘りすぎじゃないですかね。
新海誠の『君の名は』以降、この2つを取り込んだ作品が本当に多い。
まぁ、そりゃ王道ですから観客を呼び込みやすいのは理解できますけどそんな手抜きじゃ、いつかどでかいしっぺ返しを食らうんじゃないですかね。
素人の私が言うのも悪いですけど、わかりやすい・泣けるを盛り込んだ作品なんて、誰でも描けるんですよ。しかもその二つを際立たせるために、スパイスとして障害者を利用している点で、この作品は罪深い。
泣かすなんて簡単ですからね。映画館で周りを見ても誰も泣いちゃいないのに、SNSでは「泣いた!」の嵐ですかね。バカバカしい。
あとわかりやすいてのは果たして本当にいいことなのか。今は効率化、簡略化が求められる世の中だと思います。それは仕事にせよ、娯楽にせよ、はたまたメディアでも同じことがいえると思います。そりゃ便利ですから、そうなるのは仕方ない。
でも、わかりやすいってのは楽をするということではないです。
簡単に売れるから楽をして、みんながわかりやすい映画を作り出したらもう終わりです。個性と発展がなくなるからです。
自分の思い・考えを混ぜ込みながら、挑戦し続ける作品こそ、映画史において価値をもつモノとなります。
そうしたことを忘れないでほしいと思いました。
アニメのいい部分と残念な部分
アニメーションがイメージを表現する手段として、とても素晴らしかった。
実写ではあの海のイメージを表現しきれないと思います。
ただ人と人との感情や関係性はやっぱり実写がいいなぁと思いました。
夢と現実と恋と青春と。
若い人たちの作品ですね。
聲の形を思い出しました。
畳の目は乗算で。
海と魚が大好きなバイトに明け暮れる大学生王子と、幼い頃から車椅子生活の24歳やさぐれ姫の話。
バイト後寄り道をしていつもと違う帰り道、坂道を暴走する車椅子女性と衝突し、始まって行くストーリー。
ここ数年流行りな痛みと救いのヒューマン系アニメっぽいけれど、何歳まで生きる気だよ?な、ばあさんの過保護然り、境遇に名前に性格に、エセ関西弁に至るまで、わざとらしさを感じざるを禁じ得ない。
10代前半ぐらいのちょっとお子様向けな恋愛アニメという感じで、つまらないとは言わないけれど、最初から最後まで安っぽい展開で、残念ながら響かなかった。
そしてやっぱりアフレコは、プロの声優の方が…。
閉塞感を抱える若者にとってのファンタジー
多くの映画ファンの心に印象深く刻まれた2003年の実写版から、扱い方を間違えると毒にもなりかねない複雑な感情を上手く浄化して明るく爽やかな青春映画に仕上げたように感じました。
声優を務めた中川さん、清原さんも見事にハマり役で、完成度は文句無し❗️
一方で、世の中のことをよく分からなくても純粋に夢に向かっていく、という選択が、今思えば大らかに許されていた時代のファンタジーのようでもあります。
この30年ばかりで、世界も日本も目先の生産性や効率を重視する『今だけ、金だけ、自分だけ』の経済活動が主流になってしまいました。
結果として、個人に巡ってくるチャンスの割り振りが経済格差をかなり反映する状況が出現しました。
だから、今の若者の一定数の人にとっては、一種のファンタジーとしてしか受け取ることができなかったのではないか。そんな危惧を抱いています。
団塊の世代から50代、40代の大人たち。
今の社会システムを直接間接に作り上げてきた世代の人間が(もちろん、私もその一人です)、若い世代の閉塞感をもっともっと想像しなくてはいけないのではないか。
今、そんなことを考えています。
2020年に暴力系ヒロイン!?
2020年にもなって見た目麗しい暴力系ヒロインアニメをまさか劇場で観ることができるとは思わなかった。最近は女性も気楽に鑑賞できるアニメ映画も増えてきたので、新しい層への希求として一種の揺り戻しが来たのだろう。
というのは、女性向け妄想作品としての色が強いと感じたからだ。
ヒロインははかなげな美人で、わがまま放題の割には優しく辛抱強く接してくれる男性がそばにいる。芸術の才能もあり障害を抱えているという尊重されるべき存在なのに、「虎」こと無理解で粗野な男性がヒロインの精神をむしばむ(作中の女性は舞以外全員ジョゼの味方)。
さらには優しい男性がヒロインと同じ境遇に陥ってしまい、完全に気持ちをシンクロさせたうえでついにヒロインは優しい男性の心の支えになる。あろうことか恋敵からの叱咤激励まである。
これは男性向けでいえば、転生して超強い能力をゲットして女性に軟派な言動をとっていたらなぜかモテまくってハーレムを築くくらいのご都合主義である。ToLoveる以上。あと、PとJKやスイッチガールもこんな感じだった気がする。
とはいえ、上記のような妄想に胸やけがすることはない。画は美麗で、登場人物にはきちんと血肉が通っている様子が感じられたからだ。
特に、想像の赴くままにジョゼが人魚に姿を変え、空想の海で自在に泳ぐシーンは非常に美しい。そのほかにも、四季の移ろいや恒雄のプレゼントお披露目、そして何より絵本の絵。観る者の嘆息を誘い、くぎ付けにするだろう。それほどに美しい。
暴力系ヒロインに抵抗のない方はぜひ。
とても素敵な作品でしたよ。ぜひ観に行ってください。
公開2日目に鑑賞しました。
観客は多いとは言えませんが、とても良い作品で、観た後の気持ちも爽やかでした。
Eveの主題歌「蒼のワルツ」、挿入歌「心海」もストーリーにマッチしています。全体の音楽をEvan Callが担当していて、彼が担当した「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を最近観たばかりなので、オーバーラップしてとても不思議な気持ちになりました。
現実の生活は厳しいですが、物語の世界だけでもジョゼと恒夫のようなピュアで繊細で、前向きな体験をするのも良いことだと思います。
そんな体験をするために、もう一度、観に行くつもりです。
きっとリピーターは多いと思いますし、観た人から周囲に広がっていくと思います。
タイトルがオシャレなだけ。
原作が35年前なんですね。実写は見てません。
感じた違和感は設定の古さなのかも。今どき車椅子だからって閉じこもる子なんていないし、外は恐ろしいからと出さないばあちゃんは虐待にしかならない。
我が儘が可愛くて許されるのは10代までだよ。精神年齢が低い子が成長する物語なのかと思ったけど、最後に約束の時間に来ないのが、かまってちゃん過ぎて本当に無理。怪我治ってない子が雪の日に松葉杖で人を探してまわるなんて、ありえんわ。
男の子が出来杉くん過ぎるし、見た目可愛くても、こんな女はやめとけ〜と言いたい。
おばちゃんにはどこも共感出来ずに終わった。
肩凝らない自然体の映画
よかったですよ。アニメが綺麗で、実写より良かったかな。
紙芝居のシーン、涙が止まらなかった。
最後のキスシーン可愛かった。
大学生、これから夢に頑張りたい人、恋に一歩踏み出せない人、見るべし。
とりあえず好き
物語は予定調和ではあるけれど、王道ってことで好き。
心の機微も丁寧に描かれていて、好き。
絵もそれに合わせて丁寧に描かれててるし、好き。
川元さんの画面設計とかが活きてるのかな?
俳優、声優陣の演技もはまってて、好き。
中川さん、声優向いてるんじゃない?
EvanCallさんの音楽も合ってて、好き。
ヴァイオレット好きなら刺さるかなー。
とりあえず、終始自分の好み。
これで自分にとってのジョゼがいたら☆5だったかも。
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