ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版)のレビュー・感想・評価
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健常者には分からない「あたいの幸せ」
くじ運が無いことで知られる我が一族ですがなんとペア試写会に当たったので友人を誘って行って参りました。 実はあまり興味は無かったのですが… ごめんなさい、 めっちゃ良かった! 誰にでも分かりやすストーリーだけど、なかなか深いし予想もしなかった展開をして98分があっという間!!体感時間は割とガチで30分ぐらい。なのに思い返せば濃厚だと感じる。 もう作風が爽やか。 キラッキラに爽やか。 絵本みたいな作画は綺麗でそれだけでも観ていられるけど、演出と音楽がすっごいいいのよ。 演出は辛めに言えば安っぽいし直接的過ぎるけど、そんな演出に鳥肌たってる自分がいる。 安っぽい=駄目 では無いことを教えてくれた。"観客に鳥肌をたたせたら成功だ"と『すばらしき映画音楽たち』の言葉を思い出した。 そうだ!観客に鳥肌をたたせれば勝ちなんだ! ホントにキレイな演出でした。 あと音楽ね。 オープニングで「Evan Call」の文字が現れたときに悟った。「これはいい作品だ」と。 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の音楽の方です。 オーケストラの美しい音色で泣かしてくる方です。 今作では泣くまではいかなかったけど、音楽には感性を泣かされた! もう響く響く! とにかく綺麗なハーモニーで作品をグイグイ盛り上げてました! さすがEvan Call! なんか最近、完全玄人向けの濃い映画ばっか観ていたので、この映画を観て爽やかに心を洗われた気分。 あと友人誘って良かった! この独特な爽やかな余韻を共有出来ただけでもなんか感動的だけど、分かりやすいかつ面白い映画だから会話がめちゃくちゃ弾む!カップル、友人、夫婦、とにかく誰かと観て爽やかな余韻に浸りながら語るのがベスト! この映画、映画という5.1ch音響が際立つサラウンドで楽しいので音響のいい映画館がオススメです! 観終わった後は世界が変わる! なんでも綺麗に見えるし前向きになれる。 もし転んでも「私は今、自分の両足だけで歩くことが出来てるから転ぶことが出来たんだ!」といった具合に。 この映画を観れて あたい幸せや。ありがとう!
心の翼
試写会にて観てきました。 原作は未読です。 時間も90分弱なのでそこまで期待せず鑑賞しましたが、良い意味で裏切られました! 前半から終わりまで中弛みもなく、グングン進んでいきます。 テンポがいいので気がついたら時間を忘れて夢中になり、あっという間にエンディング。 カップルとか学生仲間で観に行くのに是非お勧めしたいです! 心温まる、甘酸っぱい恋物語です! ちなみに舞台は大阪です! 天王寺の動物園とか海遊館とか梅田の地下鉄とか… 住んでる町が舞台だと観ていて少しワクワクしますね!
アニメらしい伸び伸びとした世界観と救いある展開、清原果耶は声まで群を抜く
原作、実写ともに未観。比較対象がないこともあってか、純粋に世界観に没入できた。文学的になってしまいそうな部分も、アニメだからこそ出来る美しさと優しさで包み、柔らかくて暖かい作品に仕上がっていた。 恒夫が出会ったのは、車椅子でしか移動の出来ないジョゼ。家という名の要塞から出たときに見る、初めての景色たち。美しくて眩しい眼差しと純心たる表情に早くも心に染みる。未だ知らぬ世界が開いたときに観る衝動と感動を隠せないジョゼに、羨ましささえ覚えた。そして、次第に近づいていく二人の終わりと、不吉な足音…。ジョゼを演じた清原果耶の優しい声と癖のある捨て台詞が合っていて、19歳とは思えない表現力は声にまで息づいているのかと驚かされた。中川大志は等身大の大学生らしさを感じられ、その普遍さがプラスになっていた。美しい街並みと会話の節々にあるささやかな会話も、暗い展開に落ちていく中でも救いとなって光を差す。そこから感じる、多幸感と二人の轍の続き。特に、エンドロールに映ったジョゼと、壊されてゆく家が、忘れることは出来ないほど印象的だった。その理由は、劇場で。 邦画として人気のある作品を、アニメとして再び作った挑戦に賛辞を送りたい。その意義が、美しい空気で満たされたアニメーションから伝わってくる。ハンカチは、忘れずに。笑
すんごく綺麗で素敵なアニメ
TIFF2020にて鑑賞。 2003年の実写版。リアルタイムで観た世代です。 あの作品は大好きな作品ですから、本作品、観たいような観たくないような、、。 でも、好きな女優さんがジョゼ役ってのもあり(笑)観ますわな! アニメ作品としてはとってもとっても綺麗で、優しい絵本のような、 水彩を意識されたような色使いがよいです。 絵本のような、、、は意図的な演出だとは 思います、ストーリー的に素晴らしかったです。 お話としては今風に良いアレンジができてると思います。 多分、あくまで僕の推測ですが、多くの方々向けに作られたかなー?って思います。 それほど見やすい内容です。 清原さんの演技もあり(なんでもできちゃう方なんだなぁ)、ジョゼは十分キュートでしたしね! ご家族、友人、恋人同士どんな方と一緒でも楽しめます! エンドロール終わり切るまで帰ってはいけませんよ。 さて、やっぱり実写版と比べてしまう自分がいちゃいます。 監督の解釈でどうしても違いが出ちゃいますし、 実写版ファンなら賛否分かれるかも?です。 僕は実写版大好きですが、この作品もジョゼだと思いますし、 作品の世界は充分伝えられていると思います。 ただ、一点言わせていただければ、 なぜにジョゼは性格が悪い感じに なってしまったか?の背景は語ってほしかったかな。 過去ですね。つまり。 それがわかるからこそ、よりジョゼの気持ちが浮かびあがるんじゃないかなー? 彼女の幸福感とはなんなんだ? ってとこ、触れてほしかったなって・・・。 爽やか作品です!
外には色んなことが待っているけど
東京国際映画際にて鑑賞。とても美しくそして優しく、最後は心温まる作品でありまさに映画祭に相応しい最高な作品であった。
実写化の映画は未見である。その実写化作品も15年以上前になるという。原作は30年以上前となりそれでも尚今でも楽しめる作品なのだからとても素晴らしい作品である。
主人公のジョゼは車椅子の生活を送る。故に家に引きこもりがちで、自分の心を傷つくことを恐れ汚い言葉を発したり攻撃的な性格である。
そんなある日大学生の恒夫にブレーキが効かず事故に遭いそうな所を助けられる。これが彼らの出会いの始まりである。
両親は亡くなっているため祖母と暮らすジョゼだが、祖母の機転でアルバイトでジョゼの世話をする事になった恒夫。当初は恒夫に攻撃的で心を閉ざしていたが、時間を共にする事で心を開き両者共に心を惹かれあう。
外に出る事で新しい発見や喜びをみつけ、幸せな日々を送っていたが苦難にもぶつかる。恒夫の留学の問題、車椅子で生活を送るにはまだまだ不自由や社会、そして恒夫の事故。いいことばかりではないのもまた外の世界である。
そんな壁を信じる事、助け合う事で2人で乗り越えて最後は2人は結ばれ各々の夢に向かって突き進む姿で作品は終わる。
この作品を見る前は車椅子という部分になにか特別なフォーカスが当たり話が展開されていくと思ったがそういった印象は受けなかった。
この作品においてはジョゼは車椅子というハンディがあるが故に外の世界に溶け込む事を恐れ拒み内向的になってしまってるが、それは決して車椅子というハンディがある人だけではない。誰しもなにかしらの恐怖心はあるであろう。
もちろん恐怖心から内向的になる事で外との接点を減らせば守られることも多いだろう。ただそれでは新しい発見や喜び、幸せを得られる機会が大きく失ってしまう。
もちろん外に出れば時には、危険なことや傷つく事もあるだろう。ただそれ以上に大切な出会いや幸せが待っているのもまた事実であろう。
この作品でいえばジョゼは外に出る事で恒夫と出会い、色んな場所に行く事で新しい友達もでき、自分の夢に進む勇気を得た。そして人に頼る勇気、人を愛する勇気も得た。
恒夫またジョゼとはケースは違えど、バイト三昧で夢を追う事に囚われ彼の世界が狭まっていた。
ジョゼと出会い恋をする事で彼の心にある大きな翼を持っている事に気づかされ大きな自信を育む事ができた。
辛い事もあるが、それ以上に幸せな事もある。ありきたりだけど、この作品はそれをストレートに描いてくれるのがとても魅力的である。
そしてジョゼと恒夫の恋愛描写がとてもピュアである。
舞台挨拶の際に恒夫役の中川大志さんが語ってたが、ジョゼが徐々に心開いていく姿がとても魅力的であり、とても心躍らさせられる。
恋愛作品においては若干ありきたり感はあるものの、ストレート且つピュアな恋愛はやはり良いものだ。
とてもいい時間を過ごす事ができた。
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