「運命に引き寄せられる2人」ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版) 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
運命に引き寄せられる2人
いつか引き込まれて感動していた。
感動した要因はいくつかある。
1番は、ハッピーエンドだったこと。
虎(怖い世間の象徴)が、アニメだと本当に怖いところ。
実写映画だと平凡な雀荘でバイトする大学生の恒夫が、
アニメでは優秀な大学生でメキシコ留学を夢みる設定。
脳性麻痺で車椅子の24歳のジョゼも、絵の才能のある女性に
変わっている。
アニメ映画は実写映画より綺羅綺羅したファンタジー世界を
描いている。
ジョゼの見る夢のシーンとか、
はじめての海と、塩っぱい海水とか。
実写映画だとジョゼがデート中にトイレに行きたくなって
障害者用トイレを探すが見つからない・・・
困惑する恒夫のシーンとか、
ジョゼのアパートのオッサンがセクハラオヤジで、
「おっぱいに触らせてくれたらなんでも用事を足してやる」
と、言われてジョゼが怯えてしまう・・・とか。
色々な健常者の恒夫と障害者・ジョゼの超えられない距離を
正直に描いていた。
だから私は実写映画を観た時、辛くてレビューを書けなかった。
こちらのアニメ映画は、上手にファンタジー化してるし、
ジョゼの辛さや恒夫の女友たちへの嫉妬とかも描いているが、
ジョゼの才能(絵本を読み聞かせしたり・・・)が付け加えられて、
やはり安心してジョゼと恒夫を見守っていられる。
ジョゼの言葉が刺さる
「あたいは届かん!」
屋根に引っかかった赤い風船にも、
木にくっついとるセミの抜け殻にも、
雨の日に水玉の傘差して歩くのも、
神社の階段駆け上がるのも、
全部全部、
届かん!!
だけど、ジョゼの心が恒夫に届いて本当に良かった。
そんなラストシーンが大好き。
誉めて頂いてありがとうございます。
わたしは文章が書くのが
苦手で短く書く形になりました。
琥珀糖さんは
細かなところまで
書かれているので凄いです。
こちらこそよろしくお願いします。