「監督が「海でお姫様抱っこしてクルクルするシーン」が好きなのはわかった」ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版) キンシコウさんの映画レビュー(感想・評価)
監督が「海でお姫様抱っこしてクルクルするシーン」が好きなのはわかった
ジョゼの予告を観て、ジョゼに惚れました。
キャラクターデザインも好みだったし、eveの曲も良かったので、すぐさまムビチケを買いに映画館へ走りました。特典のポストカードは今もデスクに飾ってお気に入りです。
公開まで我慢できずに、漫画版をオンラインで買って即完読し、感涙しました。
すぐに紙媒体が欲しくなってネットで注文してしまいました。今は紙版が売り切れか品薄のようです。ラッキー!もし映画を観て好きになった方が居たら、是非漫画を読んでみてください!
グッズいいなぁ!ポストカードもジョゼの描いた絵かな!?欲しいなぁ!
映画めっちゃ楽しみだああああああ!泣くぞおおおおおおおお!!
・・・ここまでが、映画を観る前の僕です。
・・・ここからは観た後の僕です。
ファンなので甘めな採点をしましたが、映画作品としては☆3が妥当かと思います。
一言でいうと『「聲の形」みたいなの。』
身体障碍者であるヒロインと主人公の青年が出会い、互いに挫折や成長をしていくというものなので、どうしても「聲の形」と比較してしまうのは仕方ないのですが、感情移入できる演出が薄く、それっぽいもの見せられるだけです。
もし泣けるのが見たかったり、設定やキャラクターに惹かれて作品を観たくなった人は、漫画版を買うことをお勧めします。一般料金払うよりちょっとお金足してそっち読んだ方がめっちゃ泣けます。
この映画に対する評価の原因は、作品の魅せ方が残念すぎるということ。
まず全編通して「引き」が多く、キャラクターに寄ったカットが少ない為、肝心なキャラクターの心情などが分かりづらい。
この作品、漫画版を読んでいたのであとあと盛り上げるための重要なシーンが結構あるんですけど、それも一応描かれてはいますが細かすぎてわかりません。
おかげで感情移入できないままお話が進んでしまうので漫画で泣いたポイントでも泣けず…あれ?ぼかぁどうしたんだ?泣けないぞ?となりました。
そして映画版では漫画になかったシーンを足してあり、漫画を読んでいたファンも喜ぶサービス!
・・・と、思いきや。余計なシーン追加。
なぁ、エンドロールに外国で友達とくっちゃべる描写は大切か?
光の海に来た理由は魚だろ?みれたのか?留学して友達とくっちゃべる描写は何枚もいるのか?
絵本作家にはなれたんか?よく考えたら紙芝居以外で描いた絵なんて全然出てこなかったよ。ポストカードの絵はどこで出てきたんだ?
なんで劇中のあったシーンをエンドロールでも持ってくるんだ?いいシーンだけどそんなにくるくるさせたいか?
・・・など、疑問ばかり浮かぶ始末でした。
監督さんは初監督?らしいので、足らない部分や至らない点は、まぁ仕方ないのかもしれません。
動くジョゼはとっても可愛いよ!海の中の演出も良かったし、ばあちゃんのグリコもよかった!
キャストたちの演技も名演!違和感もなくてとてもよかった!特に東北弁がつい出ちゃうとことか、自然で素晴らしく良かった!
ただ、期待に対するがっかりが大きくて、2回目を観る気になるの難しいかも・・・