「鑑賞後に心洗われた気持ちになる、とても良質の作品でした。心の翼は、きっと誰にでもあるのです。」ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版) もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞後に心洗われた気持ちになる、とても良質の作品でした。心の翼は、きっと誰にでもあるのです。
田辺聖子さん原作のアニメ作品。
どんな感じなのか興味が湧き鑑賞です。
「田辺聖子さんの」 と書いたものの
特段熱心なファンというワケでもなく
この作品も読んだことがありませんでした。
年明け最初の鑑賞
重苦しすぎるのは避けたいし、この作品が
ちょうどいいかな、との気分で観てきました。
◇
ふとしたキッカケで出会った男女
足が不自由で車椅子の少女 = ジョゼ
車椅子から投げ出されたジョゼを助ける大学生 = 恒夫
ジョゼの祖母に雇われる恒夫
ジョゼの日常生活の相手役を努めることに。
外に出たい けれど 外は怖いジョゼ
恒夫と共に、色々なところに出かけるようになる。
海
図書館
動物園
共に過ごす時間が増える二人。
昔からの夢がある恒夫
新しく夢ができるジョゼ
夢を追いかけ前を向く二人
恒夫を襲うアクシデント… きゃぁぁ
夢を諦めかけた相手に
勇気を持って手をさしのべる事の大切さ そして
人と人との繋がりの素晴らしさ。
それを描いた、心揺さぶられる素敵なお話でした。
とても良い作品です。
満足です。
帰り道の足どりが軽く感じられたのは
私の心にも翼を貰えたから。 なのかもしれません。
◇
で、
帰宅した直後に原作を読みました。
短編なのですぐに読了。
原作のストーリーがとても気になったからなのですが
その結果、この作品が原作の内容を
相当ふくらませて出来ている事を知りました。
登場人物
原作ではほぼ3人。
・ジョゼ
・恒夫
・おばあ
この作品で増えた主なキャラクター
・恒夫の親友(?) = 松浦隼人
・恒夫に恋する後輩女性 = 二ノ宮舞
・図書館司書の女性 = 岸本花菜
(・ネコ = 諭吉)
この登場人物の追加で、人間関係がより複雑になりました。
けれど、ムダに思えた人が、一人もいません。
みんな、
ジョゼ あるいは恒夫にとって
とても大切な役割を果たしていました。
その点からみても
すごく密度の濃いドラマだったんだな、と思います。
◇ あれこれ
劇中劇(紙芝居)
これも秀逸な内容です。
原作にあるかと思ったのですが、オリジナルみたいです。
「人間になること」
魔法の貝にそれ以外を願うと、人魚はアワになってしまう という設定
瀕死の若者の命を救うことを願った人魚姫
最後は… だめだあぁぁ
こういうの、弱いんです…(泣) ホント
主人公二人の声
を演じたのが
中川大志君と清原果耶さん です
二人の実写での演技が素敵なことは知っておりますが
アニメの声優としてはどうかな?
と心配だったのですが
登場人物のイメージに合っていたと思います。
とても良かった。
◇ 余談
空飛ぶジョゼ
車椅子から投げ出され、宙を飛ぶジョゼ
その図を見て なぜか
「射出されるモビルスーツみたい」
なんて 思ってました。 (しょーもないネタですいません… 汗)
パンフレット
買えば良かった…。
売り切れではなく、単純に買い忘れです。
買いに行ったついでにもう一回観ようかな。 …逆 ?
◇ 最後に
この作品のような良質な作品の
上映機会がもっともっと増えるといいのに。
そう思います。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
コメント頂きありがとうございます。
この原作は未読ですが
田辺聖子さんの小説は「男女の機微」とか
言うに言われぬ「人の営みのおかしみ」の様な
若い人向けでは無い作品が多いので
それを今時のアニメにするには
大幅に改編するしかしょうがない為
この作りになるのは理解できます。
別物と思ってこれはこれで楽しめました。
おはようございます。
ジョゼは、小説が好きだったのですが、今作品は個人的には、とても好きでしたね。
2人の今や邦画を代表する若手俳優さんも良くて、天は二物を与えるのであるなあ、と思いました。
では、又。
今から仕事です。ハア。