「実写版とは全く異なる展開にホッとしました。」ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版) 知徳さんの映画レビュー(感想・評価)
実写版とは全く異なる展開にホッとしました。
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実写版では、いわゆる「ハッピーエンド」ではなく、主人公の恒夫の設定も、アニメ版のように真っ直ぐで誠実ではない。最後まで一緒に暮らそうとする気合いもなく、結果別れる(「逃げる」)ことになる。「いつまでもここにいて欲しい」と彼を頼ったかつてのジョゼは、もういない。障害者が身寄りをなくした時の不安定さは解消されないまま、彼女は一人で生きていく決心をする。
翻ってアニメ版では、ジョゼの周囲の人々は優しくて、理解に溢れている。かつての社会状況とはかなり違いがあるためなのだろう。恒夫が足に障害を残すかもしれないところで、ジョゼは、彼の夢の後押しもする。実際は、障害者をめぐる環境は、「37セカンズ」や「岬の兄妹」などで描かれる限りでは、絶望と期待が入り混じったものになる。アニメ版のような健常者と障害者がお互いに理解し合える社会になればと願っている。
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