「家族って」血筋 はくさんの映画レビュー(感想・評価)
家族って
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家族とはなんなのでしょう? 親子とは?
ずっと一緒にいれば、それだけで家族なのでしょうか。あるいは長い間離れていたら、家族ではなくなるのでしょうか。あるいは何かほかの条件が?
この問いかけに普遍的な答えはないのかもしれません。
父親と、家族と、歴史と時代。国と時間を隔ててもなお自分に繋がる過去。現在との切れない繋がり、その「血筋」。
監督は目を逸らさずに見つめ続けたのではないか。そのひとつの解答がこの作品なのではないか。そんな印象的な作品でした。
父親と再会して、話をして、現状を目の当たりにして、監督は何を思ったか。具体的な心情は作中でほとんど語られない。一歩引いて見ているような。
だからこそカメラを通して父親と向き合う監督の苦しいほどのひたむきさ、痛ましいほどの実直さを感じたのかもしれません。私は未だに、視聴中のあの胸を刺すような感覚を忘れることができずにいます。
スクリーンの中の他人事としてではなく、やがて観る人それぞれにとっての現実へも視線を向けさせる。そんな力がある作品なのだと思います。
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