「波動水を信じて。」星の子 時示郎さんの映画レビュー(感想・評価)
波動水を信じて。
人生においては謹厳な正誤よりもコミュニティにおける触れ合いや関わりが大切で、少々柔弱感のある相手や自分でもいいじゃない、という安堵感のある作品です。波動水を飲んでシンクロ現象に戸惑う主人公、校内エピソードがやや陳腐かな。この宗教は霊能波動水などを霊感商法で販売しているのですが、だからと言って特に悪いものとはしておらず、実際にパワーのある教団ではあり、アトピー治癒で興味を持った両親を中心に、凡庸な庶民の一コマとして描いているのだと思います(現実には薬事法云々ありますがこの映画については被害者はいないと仮定します)。啓発合宿の夜に見よ、あれが向上の証だ、いや文芸賞の星かも? 上映ライバルを意識させますね。傍から観ればよくも悪くも視える、実際はまた別の話です。
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