「ちひろはちひろの道を。」星の子 はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
ちひろはちひろの道を。
病弱だったちひろを救った聖なる水金星のめぐみ。以来宗教団体ひかりの星に心酔し回りからは奇異な目で見られている両親。
中学3年生になったちひろは自分の置かれた環境や立場をよく理解している。
でも両親のことは好きだし信じている。
信じたいと思っている。
しかしひかりの星には有りがちなよからぬ噂も付きまとっていた。
ある日聖なる水を含ませたタオルを頭に乗せている両親を憧れの数学教師南に見られてしまう。完全に狂っていると一蹴する南。
いたたまれなくなって走り出すちひろ。夜の街を疾走する。
両親のその姿を滑稽だと思っていたのは本当は他ならぬちひろだったのかもしれない。
芦田愛菜が子役から大人の女性へと成長する過程で繊細に真っ直ぐにちひろを好演しています。
どんな宗教を信じても信じなくてもそれは本人の自由。ただ両親の信仰が子供に影響を与えることは当然のこと。
施設を使って大規模な団体の集会が行われる。同じ建物にいるはずなのになかなか会えないちひろと両親。
まるで今の心の距離のようで歯痒い。
3人で並んで見る星空。
私も一緒に流れ星を探しながら、ちひろはちひろの道を歩いてね。と願わずにはいられなかった。
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