「それは幸せの呪文」フード・ラック!食運 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
それは幸せの呪文
それを一口っっっ?
アン?肉だけおかわりぃぃ???
アカンやろ、そんなに食わせたら。おかあさん、おかあさん、おかあさんってば!
と、言わずにはいられない冒頭部。と言うよりも、予想通り「焼肉食いたい」欲求爆発ですよ。ドアタマから。よだれ、よだれ、よだれ、っすよ。おそらくは、観客全員パブロフの犬。三人しかいなかったけど。
「美味しんぼ」感で主役二人のキャラを立てる冒頭部は、肉肉肉の匂いを漂わせるコメディタッチ。割と楽しい。登場人物の人間関係や過去の繋がりが明らかになって行く中盤。尺の関係からでしょうか、ここがかなり早足になってしまい、編集の雑さも気になります。ぶっ込み過ぎ感があります。もう、いっそのことパン屋さんのエピソードは外して、母親との関係の描写を丁寧にやった方が良いのに、ってのは、映画を見終わってから思いました。
しかしながら。EXILE関係者の出演作の中では、これ一番好きかも知れないです。
EXILE NAOTOさんの芝居は、さすがに、ちょっとクサイですけど、バディの土屋太鳳で帳消し。周囲を取り巻く役者さんは、結構、地味に豪華です。母親の人間関係を辿る先々で、全くシラケないのは、待ち受ける役者さんのお陰。と、何と言っても、肉が旨そうでね、これがw
母の「根岸苑」は、多くの人の心を動かし、ゆえに多くの人達に引き継がれていた。「おいしくなあれ」と言うおまじないは、肉への愛、お客さんへの愛、息子への愛の呪文。「幸せの全て」だと思える存在があると言う幸せを胸に抱き、旅立つ安江さんは、本当に幸せだったんだと思う。
いやぁ、なんか。
良かった。かなり!
なお、「おわり」でブチ斬る様に終わるのも、尺の関係でしょうか?
もう一シーンか二シーン、無いっすかw