「激しく熱い青春群像劇」ブレイブ 群青戦記 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
激しく熱い青春群像劇
本作は、高校生たちが戦国時代にタイムスリップして奮闘する物語だと思っていたが、想像していたより、激しく熱い青春群像劇だった。冒頭のタイムスリップ直後の過激描写によって、我々観客も画面に吸い込まれ、戦国時代に放り込まれたような感覚に陥る。物語を拡散せず、敢えて桶狭間の戦いに絞り込むことで、シンプルな物語になっているので、主人公達の熱い想いがストレートに心に響いてくる。胸に迫ってくる。
本作の主人公は、弓道部に所属する高校2年生・西野蒼(新田真剣佑)。才能はあるが、目立つことが嫌いで黙々と練習に明け暮れていた。ある日、校庭に雷が落ち、主人公達は戦国時代・桶狭間の戦い直前にタイムスリップしてしまう。殺戮が繰り返される戦国時代の過酷さに戸惑い翻弄されながらも、主人公達は、現代に戻るために、仲間を守るために、自分たちの英知を振り絞って懸命に闘っていく・・・。
この手の作品では、如何にして主人公達が現代に戻るのかがポイントになるが、本作では、それに加え、主人公達が過酷な運命に立向い、成長していく姿を描いている。SFと青春群像劇を巧くブレンドしている。
主人公役の新田真剣佑が、鬱屈した高校生がタイムスリップによって覚醒、成長していく姿を熱演している。眼の表情の変化が良い。運動能力を活かした殺陣に迫力がある。
徳川家康役の三浦春馬が決まっている。未来は自分で切り開くものだからこそ面白いという考え方で、主人公に適切な助言をして主人公の成長を促す姿が凛々しくカッコ良い。
織田信長役の松山ケンイチも負けていない。落ち着いた冷め切った雰囲気と台詞で、野心に溢れる信長を巧演している。
ラストは、そうなるだろうと思っていた通りの納得の幕切れだった。本作は、戦国時代という極限の時代に放り込まれた主人公達が、仲間との絆を強め成長していくプロセスを、桶狭間の戦い直前の歴史プロセスと巧くリンクさせて描いた熱き青春群像劇である。
みかずきさん、はじめまして。フォローありがとうございます。
今作、三浦春馬の出演作だから観ておこう、てことであまり期待してなかったのですが、よそうに反して面白かったです。
これからよろしくお願いします❗️