「予想を上回るグロさ」ブレイブ 群青戦記 鯖缶さんの映画レビュー(感想・評価)
予想を上回るグロさ
俳優さん目当てで観に行きました。原作は未読ですが、ジャンプ+に掲載された「真・群青戦記」は読んでいます。
予告の時点で漠然と「高校生だけど死ぬんだろうな」という予感はありましたが、冒頭からバンバン死にます。死亡フラグもガンガン立てて、ほぼ回収します。戦国時代が舞台である以上、死人が出ることは覚悟していましたが、それにしても冒頭の大量虐殺が酷い。襲ってくる農民?足軽?がほとんどゾンビです。「真・群青戦記」で農民たちが襲ってくるとき、しっかり現代人から服だの持ち物だのを略奪していて、彼らも生きるために人を殺しているんだなあ、という納得感がしっかりあったのですが、映画だと皆無です。まるで武将だけが理性のある人間で、民衆は人間ではないかのような扱い。ちょっと無頓着すぎて、この演出はあんまりでは…と思いました。
メインのキャラクターもバンバン死にます。俳優さんたちが頑張っていたのはとてもよかったので、バンバン死なれると余計に悲しいですね。全体的に尺が足らんかったな、と思うところがあり、死人出してる時間をもうちょっとストーリーの掘り下げに使ってほしかったです。なんで不破先輩が戦国時代へ行こうと思ったのかとか。友情、仲間、絆といった部活動の美しい面はやたら強調されていましたが、先輩はいじめとかパワハラとかそういうのに悩まされていたんじゃないんでしょうか。そのへんが仲間の大切さを説く主人公と乖離してしまっていて、しかも先輩の掘り下げはほとんど無いせいで、なんか薄っぺらくなってしまっていて残念でした。
そしてこれだけ人が死んだというのにあっさり生徒が登校しているラスト…。遥の足が治ってないところから見て、そんなに時間が経過してないはずなのにどういうこっちゃ、と呆然としました。校舎は窓ガラス割られまくりましたし、グラウンドは死体だらけのはずなんですが…。帰ってきた他の生徒がどうなったかも全く分からず、不完全燃焼でした。
アスリート高校生が戦国武将と結託して戦で大暴れする!みたいなスカッと感を求めている人向けではないですし、PG12+は付いているものの、春休みでうっかり小学生とかが見に来ないといいなあ…と願うばかりです。一応、俳優さん達が好きなら見て損はないとは思います。