「憂うに人を足すと優しさになる」コロンバス RYOさんの映画レビュー(感想・評価)
憂うに人を足すと優しさになる
憂うとは、悩んで足が止まる。という漢字で、物思いに沈んだり、心配したりする意味。
憂うに人を足すと優しさになる。
この映画を観て、そんなことを感じました。
どんなに素晴らしい建築でも、そこに人間が生活して初めて成立することと同じように、
この映画が織りなす構図と色は、まさにそこに活きる人間模様を映し出していました。
みんなそれぞれ心に憂いがあるんです。
主人公と学芸員の男の子、
父を見舞いにきた男と主人公、
そして、母との関係で織りなす背景が、
対称だったり非対称だったり、色味だったり、生感だったり、
モダン建築の名所コロンバスを舞台に見事にそれを映し出していました。
小津さんと同様観て優しくなる、そんな素晴らしい映画でした。
これが長編デビュー作。
次回もまたとても楽しみです。
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