どうにかなる日々のレビュー・感想・評価
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様々な恋模様を淡く繊細に描かれた青春アニメ映画
まず初めに言っとくと、僕が見た青春アニメの中では特に印象に残った。様々な恋模様を綺麗な作画と印象に残る音楽などと共にみずみずしく描いていたと思った。まさか、そこで終わるとはという展開もありましたけどね。
オムニバスだから分かるけど、みんなが思っていると思うけど、確かに短かった。僕が映画館で見た映画の中でも、特にこの映画は一番短かった。確かに約60分は短すぎた。でも、その短い時間の中でも、様々な恋模様を描いていたのが凄いなーと思った。
最後に言うと、この映画は少し物足りないかもしれない。だが、作画や音楽で、約60分という短い時間の中でも、我々にいろんな印象を与えてくれる青春映画だと思った。
Happy Go Lucky Days
声優陣の豪華さから鑑賞しましたが、めちゃくちゃ好みの作品でした。
第1部の"Happy"では突然の百合がスタートします。同じ人を好きな2人が出会い、その人を好きになり、エッチを仕掛けていくというストーリー。ストーリー自体はシンプルそのものですが、エッチな展開に持っていくのが上手で観ていて違和感のないカップルを見ているようでした。花澤さんと小松さんの声がスッと入ってくるのでシンプルな物語に鮮やかな色をつけてくれました。"Happy"の時点でこれは良い作品だなと思いました。
第2部の"Go"はBLがメインですが、そんなに揉みくちゃにしたり互いを舐めあったりはせず、心の葛藤と本当の自分を知っていくようなストーリーに感じました。この部だけ地味に感じましたが、クラスの子たちをお姉さんのいる家まで連れて行くのはなんだか面白かったです。簡素な卒業式は今の状況を映像に投下したように思えました。
第3部の"Lucky"は従姉妹がAVに出て勘当されたという話ですが、小夜子が非常に魅力的で、この人に包まれたら幸せやろうなーとか欲が出てしまいそうな妄想までしてしまって。でもしんちゃんは意地を張ってでも包まれないというところが歯痒くも大人だなと思いました。みかちゃんがAVを見て白くなっていたり、しんちゃんの前でいきなり上半身全裸になるという突飛な展開も非常に好みです。笑わせようとしてないのに、クスクス笑えてしまう。
第4部の"Days"では育った2人の小さな葛藤が描かれています。本格的にエッチに傾倒してきたみかちゃんともっと大人びたしんちゃんの掛け合いが微笑ましくて、理想のカップルもとい理想の幼馴染だなと思いました。みかちゃんは本当にしんちゃんのことが好きなんだなとひしひしと伝わってきて、終盤の場面で手を繋いだ2人を見てめちゃくちゃキュンとしました。
音楽も素敵で、クリープハイプの作る曲たちが世界観を作り上げていて、ゆったりと見れる空気を作ってくれたと思います。「マネキン」も良かったです。
PG12に規制するほどの作品ではないと思いますが、可愛らしい作品ですので、是非劇場に観に行ってほしいです。
恥ずかしからず勇気を持って
1章は女性同士の恋愛、2章は男性同士の恋愛、そして3章と4章は従兄弟への愛と中学生の恋愛といろんな形の恋愛話をショートストーリーとして描かれてまとめられた作品である。
どの恋愛も決して間違った恋愛ではなく立派な恋愛なのだがどこか見ていて恥ずかしさを覚える。それはおそらく稀少な恋愛だからであろう。稀少が故に本人達も恥じらいがありそのモジモジした姿にこちらも見ていて恥ずかしさを覚えてしまう。
前作のフラグタイムもそうだがこういった稀少な恋愛を普通に描いてくれるこの監督の作品は非常に魅力に感じる。
もちろん僕はこういった経験はない。人は経験がないものへの理解は、頭では理解しようとしても真なる理解に繋げるには時には難しさもある。だからこそこういう作品はとても貴重に感じる。
こういう稀少な恋愛も数年後には当たり前となってるいるのかも知れない。いやなってる社会にしなくてはいけないのだろう。
恋愛面だけではなく恥ずかしさというのは時には間違った社会のモラルから生まれる感情でもある。
間違いではない事で恥ずかしさが故に判断を誤り正しい選択を失ってしまうのは非常にもったいない事である。
恥ずかしがらず勇気を持って自分を信じる事も時には大切である事をこの作品を見ていると強く感じさせてくれる。
良作なオムニバスアニメです。
原作が志村貴子の漫画って時点で、満貫確定なんですが、監督も百合アニメの名手、佐藤卓哉(あさがおと加瀬さん、フラグタイム。来年は裏世界ピクニックもやるんか〜)で、ハネマン確定。声優が花澤香菜、みかこし、ファイルーズ、早見沙織、石原夏織、とドラが5枚。あ、木戸衣吹って久々だな〜、裏も1枚乗って、数え役満かな〜。
とベタ褒めですが、地味な作品です。これといった盛り上がりはない、4本のオムニバス。全編でも1時間弱の短い作品です。
百合、BL、従姉妹のお姉さん、幼なじみ、の軽かったり重かったりする恋愛もの。心情描写は絵だけで、セリフも最小限で静かな作品。志村貴子の漫画の雰囲気のまんまです。
別に百合でも、BLでも、従姉がAVにでたことも、幼なじみと中二でベストカップルに選ばれたことなど、自分人生では経験がないのに、なんだか懐かしくも切ない気持ちになります。
観ていながら、セリフと行動の間の心情を勝手に補完しているので、そんな気持ちになるのかな、と思いました。あ〜、絶対にこう思っているのに、真逆のこと言っちゃうんだな、とか、だからここで振り返ってしまうわな、とか。
逆にセリフと行動だけを観て感動できる作品ではないので、そういうつもりで観ると、「で、どこで感動すれば良いの?」となってしまうかも。
以下はネタバレ込みのエピソード毎の感想。
1.えっちゃんとあやさん
映画が始まる前に特典映像で声優の対談が5分あります。そこからの、ガチ百合エピソードなので、ちょっと悶々します。みかこし×花澤、この順で合ってたっけ?、として脳内補正してもよし。
みかこしが言っていた通り、成り行きでそーなった後の初デートの「探り探り感」が萌えますね〜。お互いの元恋人の悪口をネタにして、ちょっと踏み込もうか、引いておこうか、って距離感のとり方が、う〜っときます。お互いの元カノが早見沙織って豪華すぎ。
2.澤先生と矢ヶ崎くん
ちょっと難解なエピソードですね。澤先生にとっての「理想」は矢ヶ崎くんのような美高校男子なんでしょうが、「現実」は?ってメタファーが姉の住む元「連れ込み宿」なんでしょうかね。理想男子とワンワンで恋がしたい一方、現実は不特定多数が出入りする「連れ込み宿」=「男子校」でわちゃわちゃする程度で満足するか、って感じかな?
そう思うと、ラストで生徒たちと元「連れ込み宿」へ向かうのが、笑えますよね。
3.しんちゃんと小夜子
次の「みかちゃんとしんちゃん」に繋がる2部作です。ストーリー的な部分は後段で語るとして、この時代設定が昭和な感じで良いですね。AVがVHSのビデオテープって、古いわぁ。90年代ですかね。子供部屋が風通しがよく、お母さんが「ここは涼しい」というシーン。個々の部屋にエアコンがない時代。80年代終わりか90年代って設定なのかな〜。
あと、木戸衣吹が男の子役。3では小学5年生なので、時々、女の子っぽい甲高い声になる。でも4では中2で変声期が終わった設定なのかな?そこを演じ分けているのが上手かった。
4.みかちゃんとしんちゃん
小学5年から中学2年の男女の成長がテーマですかね。
みかちゃんは、小5時代は割と大胆で、ぐいぐいとしんちゃんを引っ張って翻弄する。小夜子への対抗心で脱ぎ出したり、3の最後に「実は寂しかった」というしんちゃんに対して「何の話?」とピシャっと言い切る強さですね。一方で、中2になると、しんちゃんの事が気になり過ぎて、弱々しく不安でいっぱいに。
逆にしんちゃんは、従姉の小夜ちゃんとみかちゃんの間で右往左往していた小5から、みかちゃんにヤキモキさせる色男になる中2へと成長する。小学生の頃は思いっきり意識しているのに、中学生になると「ただの幼なじみだし」的な態度になる。
この辺りって、男女の思春期の迎え方の微妙な差で、この年代を取り扱う作品の一番面白いところ。これが高校生になると、お互いを意識し合うので噛み合うのかな。
まあ、本作ではちゃんと中2で意識があってハッピーエンドでしたがね。
公開初日の朝9時の回って、どんだけ楽しみにしてんだ、ってがっつきで観に行きました。
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