マニカルニカ ジャーンシーの女王のレビュー・感想・評価
全10件を表示
インドのジャンヌ・ダルク
19世紀のインドでイギリスが覇権を強めていた時期、インド人の反乱が起き、リーダーに立ったのが女性だった。 インド映画なので歌と踊りは入っているが、戦闘シーンの連続でワイヤーアクションもある。 インドの歴史を学んだ感じ、一方的かもしれないが。
ヒロインの剣撃アクションの形相と殺陣が圧巻過ぎて忘れるけど、悪い身...
ヒロインの剣撃アクションの形相と殺陣が圧巻過ぎて忘れるけど、悪い身内を死刑にせず追放て甘い処分するから、悪い奴等と結託し戻って来てピンチ…てヤキモキするわ〜
インドの歴史ってそんなに知らないですよね
文化も粉の思いとか。 そういうの徐々に知るにはやっぱり映画大事な文化輸出交流だと思います。 近代は戦争に巻き込まれ続けたので、どうしても対イギリスという視点が多いのですが映画にすることで消化出来るといいですよね
1人が3人殺せば良い!
インドのジャーンシーに嫁いだ僧侶の娘、マニカルニカが王妃となり、子供や夫との死別、王位継承のいざこざを乗り越えつつ、粗悪なイギリス政府から独立のために闘う物語。 前半は家族との死別や、インドを裏切った親戚(!?)とのやりとりが中心に描かれるが、後半からはイギリス軍との戦争一色モード。 最後はマヌ軍、イギリス軍、隣国軍、果てはアイルランド軍まで参戦しまさにドンパチ状態に。 自分がインドの地名とかをわかっていないことや、やや多すぎに感じる登場人物、精神論1つでコロッと論破されてしまう人々等々、?なシーンも多かったことや、戦闘シーンに関しては、鳥肌が立ってしまうようなワンシーンが何かあればより良かった。 総じてとても面白かったので、史実を勉強してからまた観てみたい。 ただ、一番気になったのは、冒頭の 「アルコールは健康を害します」 というテロップ。あれは一体何だったのだろう・・・?
外国で上映するには描写不足
戦に負けても、その生き様から「教義と民族の誇り」を体現したと、後の世に英雄視された伝説の人物を、CG多用で映像化したために、新興宗教の陳腐な宗教映画のようになってしまった。 『KESARIケサリ21人の勇者たち』や、『パドマーワト』にもあった「民族性」「宗教性」の要素が、本作では強く前面に出ていて。 (あらすじを読めばわかることだが)本作は1857~ 1858年、イギリスからの独立運動「インド大反乱」における女性指導者「ラクシュミー・バーイー」を描いた作品。 インド版ジャンヌ・ダルクともいわれるほど、女性ながらに勇猛果敢な武人で、戦争における戦略も、政治家としてのカリスマ性も持ち合わせていたという伝説があり、1947年にインドが独立した後に、英雄として再評価された。 民族国家の誇りを反映したキャラとして、インドでは有名で説明の必要もないのかもしれないが、日本を含めた諸外国で公開するならば、カリスマ性については異国人異教徒でも納得できる描写が欲しかったところ。 また、バーフバリほどの超人ではないにせよ、女性としては異例の強さで、現実離れした戦闘力が絵空事に見えてしまった。 観てるこちら側がインド映画に慣れてきたせいで、強さの表現のインフレに、飽きてきたのかもしれない。
「理想化」と「超人化」の行きつく果て
映画「パドマーワト 女神の誕生」同様、大げさなだけで、中身に乏しいガッカリな作品だった。 主人公が女性という設定だからこそ、驚異の肉体能力なのであり、ジャンヌ・ダルクばりの勇気と活躍が面白いはずだ。 しかし、CGででっち上げられた映像世界には、もはや“生身の”人間の肉体感覚は存在しない。 男女どころか人間すら超えて、あまりに“超人”すぎる。 だから、もはや観客の身体が主人公の動きに合わせて反応したり、共感して“手に汗にぎる”ことができない。 「演出が、設定を破壊している」と言って良い。 また、何回か大きなバトルがあるが、「どれも同じに見える」というか、実際、全く同じなのだ。 銃と大砲の時代の、戦陣を組んだ戦術的な戦いが見られない。 ひたすら騎兵戦や、入り乱れて斬り合う白兵戦が続くだけで、うんざりだ。 映画「パドマーワト」には、センスの良いアートがあったから映像美だけは楽しめた。 しかし、本作品はゴテゴテなだけで、美術の点でもレベルが低い。 ずっとハイテンションな状態が続くだけで、“起伏”がないのが致命的だ。 もはや、何が「史実」なのかすら、見分けがつかない。 こんなに理想化され、“あり得ない”ことだらけの作品で、「独立」を謳っても空虚なだけだ。 もっとローテクで良いから、人情味溢れるリアルな歴史物語が見たかった。
1858年
1858年、この闘いの年、日本では、安政の大獄が起こり、江戸幕府が米英仏と通商条約を締結した。 所謂、不平等条約だ。 その後、日本は倒幕、維新が加速する。 インドでは反乱が鎮圧され、独立は第二次世界大戦後の1947年インド・パキスタンの分離独立まで待たなくてはならなかった。 日本は幸い外国に植民地化されることはなかったが、欧米列強同様、植民地政策を強化する。 植民地主義の禍根は大きい。 今もなお不安定化が続く、中東は石油利権を求めた欧州列強の陣取り合戦の名残だ。 独立後も、利権が自国にはなく、自分たちの為に農作物を作ることがほとんど出来なくなった地域もある。代表的なのは、バナナのプランテーションや、紅茶畑だ。 ここでは、苛烈な労働集約性が求められ、人々は植民地で働いていたのと同様な状況だったりする。 現在は、発展途上国の経済成長で状況は変化しているが、発展途上国の格差や民主化の遅れ、或いは、旧植民地で経済成長から取り残された地域の貧困などは、解決には程遠い。 映画は、冒頭のテロップで流れるように、脚色もあるし、ちょっと大袈裟なところもある。 あと、英国人役の俳優ははっきり言って、ヘタだ。 だが、この映画のように、自分たちの歴史を誇りを持って見つめ直そうとする動きは広がるような気がする。 確かに、ポピュリズムの為にナショナリズムを喚起するのは、どうかという意見はあるだろう。 だが、貧困から抜け出ようとするなか、先進諸国があの手この手で更に搾取を続けようとすれば、この動きは加速する気がする。 それほど、植民地主義は被植民地にとって侮辱的なのだ。 インドは、世界最大の民主主義選挙を実施している国だし、国民の祝日が多く、ヒンドゥー教のみならず、イスラム教、キリスト教、仏教、シーク教の祝日が設定されていて、宗教差別の軽減にも取り組んでいると思う。 しかし、一方で、特定の宗教を押さえ込もうとして起こる揉め事のニュースにも事欠かない。 世界が民主的で、特定の人種や宗教などで差別がないことを祈りたい。 映画のマニカルニカは、美しく、勇敢で魅力的だった。
全10件を表示