「奇跡の事実に脱帽」ミッドウェイ 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
奇跡の事実に脱帽
戦争映画はノンフィクションか、人命の尊厳か、アクションかに分かれます。この映画はノンフィクション寄りで、アメリカが恐れる日本軍に対して、いかにしてどんでん返しをしたのかという、奇跡的な事実を描きたかったと感じました。
およそ80年前の出来事が、いま起きているような錯覚に襲われました。ミッドウェイの戦いでは実際にはアメリカの天才的な情報戦に敗れたというのがよく分かります。その激しい交戦は海だけが知っているというセリフが流れると、善悪をこえた歴史の流れに居住まいを正したくなります。
若い頃だったら、日本軍に加担したくなりますが、今はむしろ人類という単位で考えれば、いかに無益なことかよく分かります。
ドイツはヨーロッパを蹂躙し、日本は中国を支配下に置きました。宇宙はこの経験を人類に課し、アメリカの勝利を持って、戦争の時代をほぼ終結させました。この妙なる時間の流れは不可思議としか思えません。いずれにしても、最初から最後まで釘付けでした。心に残る秀作です。
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