「エンドタイトル スタッフ部が映画史に残る抜群のセンス良さ! これを観るだけでも、この映画の価値はある。 ただ、歌が終わった後の余韻をもっと生かしてほしかった。」ミッドウェイ YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)
エンドタイトル スタッフ部が映画史に残る抜群のセンス良さ! これを観るだけでも、この映画の価値はある。 ただ、歌が終わった後の余韻をもっと生かしてほしかった。
映画が始まって、早々にフイルム色調(色彩)に違和感を感じました。
戦時中フィルムのカラー化したものを映画の中に挟み込む為のバランス調整かと思いましたが、
そうではなく、実態はCG費用節約の為に色数を削ったのではないかと、思われます。
5Kや4Kと言われている現代において画質が落ちる事は娯楽商業映画として、
どうかと思う。残念
しかし、冒頭の「寺のシーン」と豊川悦司さんが「料亭で食事をするシーン」等の”和を感じる”撮影が非常に綺麗で美しく、好感を持った。
フォード映画監督が劇中に登場したのは御愛嬌。アカデミー審査員には受けるでしょう。
豊川悦司さんは
三船さんとは違ったいい味を出し、良い役者になりました!
ミッドウェイ戦は
”両軍の索敵合戦”や”運命の5分間””空母:飛龍の奮戦”という、
両軍本気の殴り合いで、海軍の教科書に載せる位の空母戦の醍醐味を味わえる非常に面白い闘いなのだが、
この映画スタッフはそのポイントを理解しておらず、ハラハラドキドキしない薄い映画で、訳の分からん、情報予想屋とヒーロー君の中途半端なキャラに焦点が当てられ
映画は後半まで、歴史を追うお勉強シーンの切り替え展開で、本編までが実に長い~
愚才脚本家の力量が出てしまい、非常に残念。
脚本が面白ければ、浅野忠信さん(山口多聞少将)が大活躍していた筈だ。残念
冒頭ででてきた日本が完勝した「真珠湾攻撃」でも日本機350機中、1/3に被害を出し、65名の搭乗員を失っている。
パイロットはあくまで”消耗品”なのです!
この戦いで、日本側の損失は空母4隻と、搭乗員110名であり
搭乗員の戦死は”ミッドウェイ島攻撃”で戦死された方と、”飛龍”で戦われた方がほぼ全部で、他3空母所属の搭乗員や南雲長官及び他整備員・乗組員は無事に他艦へ移艦しており、以後の戦いで障害になるような大損失は負っていません。
いっぽう、勝ったと言われる
アメリカは空母1隻沈没に留めたが、空母より貴重な虎の子である搭乗員を208名及び基地搭乗員154名という大損害を負っています。
「珊瑚海海戦」ー「ミッドウェイ海戦」ー「南太平洋海戦」の3連戦で
アメリカは毎回1隻ずつ空母を失い、残る1隻(エンタープライズ)も中破で修理の為に内地送り、
空母サラトガの修理もメドが立たず、
開戦時からのパイロットはほとんど戦場から去ってしまった。
以後アメリカは半年間
太平洋上には空母がいない状態でしたが、日本(山本)はアメリカを過大評価し
「太平洋上には6~10隻以上のアメリカ空母が存在する」と想定し、
これ以上戦力を失うと挽回できなくなるので、日本特有の「温存精神」に徹し、
積極的な戦闘は避け、自国・トラック島に引っ込んでしまった。
陸軍のノモンハン(対ソ連)でもそうであったが、敵味方壮大な損害を出した戦い後は
「日本小国=脆弱論」が軍部上部にはびこり
大損害をだして卑屈になった日本は以後 正面対決は避け、
主力は立てこもりながら、時間稼ぎをし、
敵を少しずつ削って、最後に大決戦に挑む為に、
非主力を中心に、戦力を逐次投入する戦略に移行していった。
しかし米軍は逆鏡に対して「もう戦力が残っていない。今が踏ん張り時だ」と100人力のパワーで攻撃に転ずるポジティブな国国民性が大きな原動力となった。
長期戦になった後はアメリカとの国力差により、必然的に日本は負けてしまった。
この映画を観たら、ハラハラドキドキ感がある「ミッドウェイ(1976年)」をもう1度観たくなった。