「帝国海軍は緊張感があって良かった!!」ミッドウェイ 𝔄𝔫𝔤𝔢𝔩𝔬さんの映画レビュー(感想・評価)
帝国海軍は緊張感があって良かった!!
出だしのトヨエツで期待が高まりましたが、色々と惜しかったです。映画の大部分は米軍兵士の会話シーンで、脚本は無駄が多く練り込み不足に感じ、これが長ければ長いほど緊張感が無くなっていき、結局普通のハリウッド映画になってしまったと思います。偏差射撃について、「もっと先を狙わないと」等と言う台詞が出た際は、ゲームのチュートリアルかと思いました。逆に帝国海軍は必要最低限の台詞しかなく、このような映画が作られる機会は二度と無いだろうから、こちら視点でずっと観ていたかったです。トヨエツ、國村ともに良かったですが、浅野の活舌と発声が汚く、何かひょろひょろと動きが軽く、山口多聞では無くモブ下士官に見えました。期待した艦隊戦は全く無く、洋上の的にひたすら爆撃を食らうシーンばかりが思い出されます。急降下爆撃機に対空砲が全く当たらず、奥の手だったのかたまたま成功しただけなのか良く分からなかったので、ドーントレスの機体や訓練にもっと前からスポットが当たっていると唐突過ぎず良かった(急降下してから上昇すると死ぬよ的な台詞はあったぐらいで、まさかあれだけか)です。グロが無いので、すぐそばに死があるという緊張感が無く、綺麗な戦争でした。テーマ曲の出だしがAmazingGraceに似ていて、これが何度もかかるので笑えました。本作に女性は不要だと思いました。山本と南雲が何もしていないのは史実通りなので、変に脚色していなくて安心しましたし、二人で手引きをしているような解釈の余地を残しています。潜水艦を警戒して、雷装か爆装かで混乱していた所、急降下爆撃機にやられたという大筋を知っていても、少し解り辛かったです。実話もののベタなエピローグ演出で、げんなりです。総じて、それなりの内容だと思います。