ファーストラヴのレビュー・感想・評価
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予告詐欺だが面白い。特殊なミステリ映画
映画の予告では、父親を殺害した女子大生が「動機はそちらで考えてください」と言い放つサイコサスペンスであるかのように描かれていた。が、その女子大生環奈と面会してすぐに「動機はそちらで考えてください…なんて私そんな挑発的な言い方してません。本当にわからないんです」とちゃぶ台返しを食らう。
予告では二転三転する供述、思い出してはいけない初恋の記憶、などとも宣伝されていたが、とてもではないが間違っていないとは言い難い。というか、この映画の紹介としては全く間違っている。
この映画はある種の推理映画であり、カウンセリングそのものである。人間は自分自身のことがよくわからない。だから無意識に嘘をつくことも、無自覚に嘘をつくこともある。その理由の根本がどこにあるのか探る、推理していくのがこの映画の特色だ。
探偵役は公認心理士の由紀。彼女が解き明かすべき真実は「犯罪の真実」というよりも「目の前にいる傷ついた少女の本心」。その本心は本人すらわかっていない。気づいていない。だから平気で噓をつく。嘘をついていることすらも自覚せずに。
由紀は環奈に翻弄されるものの、それは供述が二転三転しているからではなく彼女が”一貫して”嘘をついていたからだ。父を殺した動機がわからないのも、自分が何をしたのか何が起こったのかわからなかったからだ。その点では「姑獲鳥の夏」に似ているかもしれない。
ただ、由紀が環奈の隠された心に気づくまで彼女自身の過去話が挟まるのだが、それが長い上に物語には関係ないのが大きなマイナスだった。だが裁判シーンでフラッシュバックのように挟まる由紀のトラウマにドキッとしたのも事実。いい演出だった。弁護士との過去話をもうすこし削ってくれれば…。
一枚ずつ剥がされてゆく心の深層
芳根京子の演技目当てで鑑賞しました。
けれども、それ以外の主要キャストの演技もよかった。特に板尾創路の底の知れぬ気味の悪さは、「私の奴隷になりなさい」の時と同様で、彼にしかできない。
それからガラス越しの面会のシーンは、「三度目の殺人」を彷彿させるものだったが、もう少しはっきりと表情の変化が見えれば、と悔やまれる。
目の光
心が壊れた二人の女性の描き方が鬼気迫る(実は三人目がいるんだけど、それは映画を観てのお楽しみ)。
苦しみを抱えて澱んだ目の光が重い。
その二人(芳根京子、北川景子)に加えて、中村倫也、窪塚洋介……どれもすごい演技と、それを引き出す素晴らしい演出だった。
なにより、娘の精神を追い込むDV芸術家オヤジを演じた、板尾創路の異常者にしか見えない、これまた目の光が素晴らしい。
ライティングやカメラワークも秀逸なのだ。
現在のことと、過去の記憶とで光の具合、色調を変えているのも良かった。
タイトルになった「初恋」については、環菜被告(芳根)は重要な意味合いだったけれども、由紀(北川)の方はちと蛇足感が漂う。
私は嘘つき……と言う芳根京子ですが、もしかすると「私は嘘つき」という言葉自体が嘘なのではないかと思わせる、まるで気が触れたかのような女性を演じていて、これは凄かったと思います。
しかし、なんだかなーと思ったのが、ストーリーの拙劣さです。
登場する数名に同一種のトラウマが設定されていたり、人間関係を設定=偶然に頼り過ぎている点など、ストーリーとして許せる限度を超えており、鼻につきました。
誰であれ、人間である以上は、親にまったく反発を抱かないことはあり得ないはずです。
しかし親を許せないと考える人の気持ちを安易に尊重してしまっている現代の風潮はどんなものなのでしょうか。
それは、もしかすると、「尊重という名」のもとで、単純に社会が責任逃れをしているだけなのではないかと、特にこの作品を観て、違和感を隠せませんでした。
安易に「男が悪い」と、男を一方的に断罪し、責任者探しをする女性たちの「被害者コスプレ」を、そのまま肯定してストーリー化してしまったのが、やはり失敗ポイントだったのではないかと思います。
北川景子はうまくなったと思います。結婚は彼女の演技力にとって大成功だったのだろうなと思いました。
中村倫也の、ズルくて厭味な演技も迫真の出来ばえです。
芳根京子のフッ切れた演技も言うまでもありません。
このように、主役級がみんな熱演を魅せてくれていただけに、ストーリーの組み立てが残念でなりませんでした。
一言じゃ言い表せないです
父親殺し。暗くて、悲しくて、難しいテーマですよね。
過去に負った心の奥の深い傷、忘れたくても忘れられない傷。
心の傷と向き合う、芳根京子さん演じる環菜と、北川景子さん演じる由紀の姿が、胸を締め付けました。
あと、中村倫也さん演じる迦葉の由紀に対する想いと、窪塚洋介さん演じる我聞の由紀に対する愛、それぞれに胸が熱くなりました。
環奈に面会に来た由紀とのシーンで、環菜が取乱すところがあるんですが、あえてサイレントで、動きと表情だけで表現されてて、とてもグッときた心に残るワンシーンです。
ストーリー的には、父と娘の間にある性的な問題、母と娘の心の距離、自傷、殺人、夫婦愛、兄弟愛…とっても複雑で難しい内容だったと思いますが、ちゃんと闇に光がさすのが見える終わり方で、私は久しぶりにエンドロールの間、余韻に浸りました。
とても素敵な映画でした。
印象に残ったファーストラブは?
逮捕された女子大生。殺された父親。「動機はそちらで見つけてください。」
公認心理師の由紀が本当の動機を探ろうと女子大生と面会を重ねていく。
情緒不安定な女子大生のウソかホントか分からない供述。
そして、徐々に見えてくる真実。
女子大生の過去が見えてくるにつれ、由紀の記憶の奥底に閉じ込めていた記憶も甦り・・・
テーマが非常に重く、考えさせられる作品です。何ともやるせない内容ではあるものの、少なからず何かしらの光と感動を最後には与えてくれます。
観終わった後、タイトルのファーストラブは果たして何を指していたのだろう?と考えていたが、よくよく考えてみると様々な形の愛が語られており、見る人によって印象に残る愛が変わってきそうな作品だと感じました。
自分にとっては子供への愛。
親の一言がどれだけ子供に影響を与えるのか。
自分は果たしていい父親ができているのか。
ふとそんな事を考えてしまいましたね。
共感できるかできないかで評価は分かれる
原作既読。
登場人物たちに共感できるかできないかで評価が大きく分かれる作品かと思います。
古傷をえぐるような、観る人によっては、特に女性はフラッシュバックが起きるようなシーンもあるかもしれません。
過去と、自分と向き合うことになった登場人物たちがもがく姿に何度も涙しました。
演者さんたちもよかったです。
(子役さんが、嫌な気持ちになっていないか、ケアされていたかはとても心配になりました)
北川さんはこんな表情見たことない、という表情を見せてくれました。
この作品に出てくる多くの登場人物たちは混乱しています。
その混乱の原因がなんなのかを探ろうとすると、自分と向き合うことになり、さらには自分を傷つけたもの、かつて自分を傷つけた人間たちとも向き合うことになります。
傷をかさぶたにするために美しい記憶に改竄したり。
傷のこと自体を忘れようとしたり。
しかしそうするのは、生きようとしているからなんですよね。
この作品の登場人物たちにまったく共感できない、退屈だと感じたのだとしたら、それは幸せなことだと思います。
こんなことは普通はない、こんな男たちはいない、と思った人もいるでしょう。
しかし、これが当たり前のような世界で生きている人たちもまた、いるからです。
女性にはもちろん、男性にも観てほしい作品だと思いました。
「うーん」と唸ってしまう映画でした
予告が面白そうなサスペンス&中村倫也
ということで公開初日に見に行きました。
が、内容が内容なだけに良い意味でも悪い
意味でも「うーん」と唸ってしまいました。
映画のレビューとは関係ないかもですが、
今は治療に専念している清原翔さんも出演。
少しの間でしたが、やはり輝きを放っている
俳優さんだと感じました。テレビや映画で
また拝見できる日を楽しみにしています。
トラウマと後悔。これらが巧みに絡んでいく
結構、観終わった後、なるほど。。。と思わせる映画でした。
「ファーストラヴ、、かあ。。考えたな。。」と。
特に心理系の勉強や職種に関わりがある人は興味深い内容かと思います。
一人の殺人を題材として、多方面の関係者が過去のトラウマ、そして後悔を苦いり、
そして乗り越えていく映画です。
観ながら、自分にも何等かのトラウマと後悔というものがあり、
「あー、あの時あーだったなあ」などと思い出させてくれます。
配役もいいですね。結構あっていると思いました。
ポイントポイントでやはりこの役はこの人で合っていると思うところ多しです。
ラブストーリーではありませんが、誰しも共感する部分が多いこの映画、
ぜひお勧めします。
見どころは芳根京子の演技と北川景子の美しさ
北川景子は相変わらず美しいし、驚いたのが芳根京子の演技のうまさ。彼女こんなに上手でしたっけ?
一方で、物語的には今一つすっきりしません。
殺人被疑者の心の闇を解き明かそうとする公認心理師を北川が演じ、その夫と義弟の関係、主人公の過去を絡めて物語が進行します。
殺人被害者に関して、ペドフィリア(少女性愛)の被害という要素をはっきり出せばわかりやすいけど、児童ポルノの関係で中途半端にしか映画で描くことができなかったんですかね。
また、主人公の過去のトラウマが今一つ説得力がないというか、しっくりこない。〇〇に対する嫌悪感というのならわかるのですが。
ついでに言えば、△△の初恋の人が一度断った法廷での証言を行った動機の説明もないし、××の母親のリストカットも理由が不明。
原作は賞をもらった作品なのに、今一つすっきりしないのは何故でしょうか?
最後に一言、北川と中村倫也の学生時代の妙ちくりんなラブシーン。あれ何なんですかね?
胸くそ悪い
ファーストラブってタイトルがあまりしっくりこなかったので誰か解説してくれ…
告知でサスペンス要素煽りすぎたせいでこんなものかってなってしまった。
芳根京子の心の扉が結構緩かったのか、それとも北川景子の心理師としての腕が神業だったのか知らないが、結構あっさり真相がわかった印象。
エピソードが胸クソ話ばかりで、うけつけない人はホントに無理かもしれない。
芳根京子が今作のような役を演じると、あのキュートで可愛らしい大きくクリクリした目と丸い黒目があんなに怖くなるのかと思った。
終始どんよりした雰囲気ではあるが、窪塚洋介の優しさが全てを包み込んでくれる。
心の中を探る
大学で美術を教える父親を殺害した女子大生の聖山環菜(芳根京子)の事件を、公認心理師の真壁由紀(北川景子)が本人への面談や関係者を取材をする中で、彼女の心の奥底を探りながら、自分の過去とも向き合う話。
殺人事件と言えば犯人が誰かを推理するのを楽しむ場合が多いが、本作はその背景にある深い心の中を探る所に面白さが有った。
また、夫の弟で弁護士の庵野迦葉(中村倫也)の法廷での尋問も良かった。
夫、我聞(窪塚洋介)の優しい姿勢に癒される。
そして、ショートの北川景子が素敵だった。出産前最後の主演作かな?
良い意味で裏切られた、こういうテーマなのね
予告通り、、と話だと思ったらちょっと違った。
なるほど「ファーストラブ」ね。
女優二人の涙の演技はさすが。
芳根京子の狂気から○○の変わり方はさすが。
特に、北川景子の涙のシーンは、どれも違った印象で良かったです。
中村倫也は裁判シーンがカッコよすぎだね(笑)。
さらに窪塚洋介は力の抜けた男前です。初め、誰か分からなかった。カメレオンというか。いい役者です。 これからもずーと観ていきたい。
板尾創路がお父さんなので、こういうテーマなのかなとは思っていましたが、最後は予想を裏切られてしまった。
Uruの歌もいいなぁ。
挿入歌とエンディングの両方とも良い曲。
ただ、MVか!という感じもして、ちょっと出しすぎというか。ちょっと気になった。
堤さんの演出も良かったです。
重々しいテーマで、その通りに映像にすると問題があるようなシーンも、ちょうど良いと思った。もう少しグロテクスに描いてもいいかもしれないけど、デリケートなテーマなので。原作はどこまで踏み込んでいるのか。
セリフ以外の表情や振る舞いなどで感情の変化が出るのは、スクリーンに集中して気が散らない映画ならでは。
少しずつ解けていく本当の心
父親殺害容疑がかけられたサイコパス少女、なぜ彼女は父親を殺したのか?
時間をかけて少しずつ明らかになる事件の真相に、なんとも言えない気持ちになるサスペンス。
芳根京子さん演じる環菜の閉じ込め切った心が少しずつ解かれていく様が、環菜にのめり込んで自分を追い込んでしまう由紀の心情と併せて、丁寧に描かれていました。
悲しいときや苦しいとき、心の内を言葉に出せずに生きている人も少なくないと思うし、何が救いになるか一概には言えないけれど、求めるものは愛なのかなと思います。きっと環菜にとっての初恋も、悲しみや痛みだけではなく、少しの間でも安らぎや愛が感じられたから、特別なものだったのではないでしょうか。
心は脆くて人によって簡単に傷付けられるけど、寄り添って理解してくれる人がいるだけで救われる。
改めてそんなことを思う作品でした。
深いようで浅い‼️❓でも、演技だけは凄い‼️❓
虐待も深いようで浅い、心理士のトラウマも深いようで浅い。
全てが浅い、ので、共感出来ない、それしきのことで、自分の境遇なら千回死んでるぜ。
とゆうことで、観るべきは演技が全て。
北川景子の幼少期の女優は北川景子にクリソツだが北川景子の幼少期はそんな姿ではない、わかるかなーー、わかんないだろうなー。
とゆことで、北川景子の演技には限界がある。
観るべきは、芳根京子と中村倫也の演技、恐るべし‼️
それだけでも観る価値がある、舞台挨拶も然り。
全287件中、241~260件目を表示