ファーストラヴのレビュー・感想・評価
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重いけど温かい
重い話題だが、終わったあとには温かい気持ちになった。
いろいろな境遇の中でも必死に生きようとする登場人物たちに支える人がいるということが何より救い。周りの人に支えてもらいながら自分も明日からも頑張ろうと思える。
人気の俳優陣が最後までそれぞれの役として生きている。窪塚さんはイメージにあまりない静の役だったが、存在感がありさすが。芳根さんはこういう役をやると上手さが際立つ。北川さんと中村さんは受けの芝居も安定。
堤監督が時間をかけて編集しというだけあってよく練られていて最後まで飽きさせない演出もにくい。
はじめて生中継の舞台挨拶を見たが、俳優の皆さんはお話もお上手だった。
複雑なヒューマンサスペンス
初日舞台挨拶中継付きの回で鑑賞
わざわざ自宅から離れた
空いてる映画館まで行きました。
更にスカスカな最前列で
首は痛いけど周りは誰もいないから快適でした。
映画はイキナリ男性が倒れている
シーンからスタートとし
そして血の付いた包丁を持った
放心状態の若い女性が。
「動機はそちらで見つけてください」
逮捕されたカンナのコメントが
世間を賑わす事件を
主人公公認心理士の由紀と
弁護士の庵野迦葉が真相に迫るが…。
実は2人にも暗い過去があり
カンナの動機
事件の真相
由紀と庵野の関係にと
複雑なヒューマンサスペンス
最終的には真相解明され
スッキリ感はありますが、
由紀の旦那、我聞は懐が深過ぎですね。
中々、秀逸なサスペンスでした。
上映後に舞台挨拶中継見ましたが、
ご時世柄時間は短め
由紀の旦那さん役が窪塚君と
初めて知りました…。
(^◇^;)
キャストの魅力が輝く力作~1番おいしかったのは窪塚洋介?
公開初日、舞台挨拶中継付き上映を鑑賞しました。
かなり濃密な映画でした。
宣伝でミステリと謳っていなかったので、無駄な粗探しに煩わせられず、人間ドラマを堪能できました。
聖山環菜が語らない真実こそが映画の主軸ではあるのですが、それ以上にキャストの演技が光る映画でした。
以下、主要キャスト毎に、その魅力をネタバレせぬよう、述べたいと思います。
①あらゆる場面で魅了的な北川景子(真壁由紀)
悦びから苦悩まで様々な表情を見せますが、そのいずれもが美しい。
特に大学時代の回想で魅せる初々しさは出色。
自分が男だからか、真壁由紀のトラウマを完全には理解しきれてない気もするのですが、北川姐さんの表情で、抱えているものの深刻さは伝わりました。
とのかく、北川ファンなら見逃したら損な作品です。
②らしさ爆発、中村倫也(庵野迦葉)
自分は男のせいか、イケメン俳優に特別興味はありません。
ただ彼の「半分、青い」や「凪のお暇」における、ゆるふわ男子ぶりは秀逸。
本作でも、学生時代の回想で、その一端を覗かせます。
ただ本作でのメインは、やり手弁護士・庵野迦葉の顔。
序盤、ヒロイン由紀に対して当たりが強いのですが、それが自身のトラウマが産んだ新たなトラウマのせいだと解るシーンは見もの。
本作で自分が一番共感したのは、迦葉が由紀に対して抱えていた「悔い」です。
由紀とぶつかる場面でも、その想いがそこはかとなく醸し出されていて、魅力的です。
得意な人もいるけど、やっぱ女友達作るのって、難しいですよね。
③法廷での表情が圧巻な芳根京子(聖山環菜)
自分は「表参道高校合唱部」以来、追っかけてきた芳根フリークです。
彼女が感情を聴衆に伝播させる力は、何度も体感しています。
今回も、法廷での表情は圧巻。
予告動画に対して、表情が怖いとの感想もありましたが、本編を観ると印象は逆転します。
信じられる者がいない環菜の戸惑いと、哀しみと開放が、見事に体現されています。
意外と出演時間は限られているのですが、存在感は抜群。
何かしらの映画祭で、助演女優賞に輝いて欲しい一品です。
④"何もしない" 窪塚洋介の包容力(真壁我聞)
完成披露会見で、窪塚さん自身が「余計なことは何もするな」と監督に釘をさされたと、語っていたのが印象的。
実際、演じた真壁我聞は、静かで物腰の柔らかい男性。
若い頃、窪塚洋介が放っていた尖りやエキセントリックさは、完全封印。
演技の上でも、ストーリー上も、本当に余計なことは何もしない。
だからこそ放つ、無限の包容力。
由紀にっとても、迦葉にとっても、全てを受け入れ、背中を押してくれる存在。
ラスト近くのあるシーンも手伝って、結局我聞が全部持っていったような印象も受けました。
窪塚さんの魅力は勿論、何もさせなかった堤監督の勝利かもしれません。
贖罪と切なさと癒しと未来
最初に難しい題材に真摯に向き合い全身全霊を捧げたキャストと映像化したスタッフに感謝。
主役の北川さんの学生時代の初々しさと透明感のある演技と公認心理士としてのエネルギッシュな演技とのギャップに驚かされたし心の機微や心情の表現が素晴らしかった。中村くんの飄々とした落ち着いた演技も彼の良さが生かされていて良かったし、芳根さんの内に秘めたある意味狂気の演技も判決の後のある種清々しい表情も素敵だった。累の時も思ったが演技力のある実力派の女優だと改めて感じた。木村さんも何故かこの様な役が多いがやはり木村さんしかいないと思える納得の演技だったし、板尾さんの不気味で狂気に満ちた演技は右に出るものはやはりいない。そして何より窪塚さんの演技が素晴らしかった。こんなにも慈愛に満ちた優しい演技が出来るとは思わなかったので感動した。
この作品はタイトルにも書いたが、贖罪と切なさと癒しと未来に向けた物語だと思う。素晴らしい作品に感謝。
コマーシャル映画
原作既読。原作で描かれている迦葉の魅力が映像化された時どうなるかという面において特に注目をしていたが、映像化したことによって原作の全てが平坦化し、新しい解釈を与えてくれるわけでもなかったので落胆した。
原作があるものを映画化する時は映像化によってその作品の別の側面を写し出すか、そうでなくても魅力が原作以下にならないように作れないなら制作に踏み切るべきではないと考えてます。とは言っても、これで原作もさらに売れて出版社も作者も喜ぶのでしょうし、大掛かりなCM映画と思って見れば平均的な作品です。
流す涙が美しい
◯ストーリー
父親を殺害した容疑で女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女の「動機はそちらで見つけてください」という挑発的な言葉が世間を騒がせる中、事件を取材する公認心理師・真壁由紀は、夫・我聞の弟で弁護士の庵野迦葉とともに彼女の本当の動機を探るため、面会を重ねるが、二転三転する環菜の供述に翻弄されていた。真実が歪められる中、由紀はどこか過去の自分と似た何かを感じ始めていた。由紀の過去を知る迦葉の存在、そして環菜の過去に触れたことをきっかけに、由紀は心の奥底に隠したはずの「ある記憶」と向き合うことになる。
とても難しい、「心」が題材の本作では鑑賞しながら色々考える。そもそも、行動に移すのにはそれに至る心理があるから。
本作では、由紀(北川景子)と環菜(芳根京子)が取材中に泣くシーンがあるがあの涙が綺麗だった。あの涙が全て。
また、裁判直前の映像で雲が晴れて太陽が見えて来る映像に胸打たれた。
鑑賞した感想を今回は事細かに書かないが心を学ぶ素晴らしき映画と思う。
そもそも「犯行動機はそちらで考えて」なんて言うな
ヤンデレとヤンデレが共感し合う話
殺人事件と主人公の過去、二つの話を絡ませて真相にたどり着くのはいいと思うが二つの話が作品全体の50:50を占めている印象をうけた。
どちらもボリュームが有るのだが、もう少しどちらかのサイドに偏ってくれていればもっと話が締まるのではないだろうか。
出演陣の演技やキャラクターはよかったと思う。
窪塚の非の打ちどころ無い善人キャラにはちょっと違和感があったけれど、中村倫也のキザなインテリ感、芳根京子のメンヘラ感なんかハマってましたね。
演出的には取調室のガラス越しに対話するうちに相手と自分の思考が重なるシーンがちょっと残念。
ガラスの反射で自分と相手の顔が重なることで同一化を表すって演出何回見たことかってほどに使い古されてるのでいい加減新しい表現を創造してほしい。
それから、芳根京子が北川景子に「私、ほんとは刺してません」って告白するシーンに違和感。
心を開いてもらえるようにと自分の過去を話て涙を流す北川が芳根の発言に驚きの表情を見せる。
「彼女はやってない」と確信したようなのだが、話の流れ的には「私、ほんとは刺してません」なんて言われたらまた虚言かとか今までの証言は?とか本心はどこ?って思うと思うんだけど。
北川の表情も困惑してたように見えたし、少なくとも「真実見たり」的な表情ではなかった。自分だけかも知れないがこの作品を見た者同士であの表情について語りたいと思った。
写真展で親子の無垢な笑顔を撮った写真をみて感動するシーンにもツッコミを入れたい。、
自分の父親が信じられなくて悩んでる人間があの写真を見て感動するのか?
本心をかくして接していた父の本性を知り男性不信になってるのだから、親子の写真なんて上辺の情報で心揺さぶられるかな?
写真は見た人の解釈でいくらでもストーリーを創造できるから、心が純粋だと感動できるのかも知れない。
ここに疑問をいだいた私は心がひにくれてるのだろう。
根本的な問題として、主人公が犯人にたいして無防備すぎるしむしろ同調しようとするの物語として不自然に感じた。
心理学を学んだ人間って対象者に入れ込んじゃダメってなんかの映画で見たような気がするし、素人考えでも危険だと思うのだが。
いろいろ重箱の隅をつついてしまったがそもそも監督が堤幸彦さんなので作品を深く考える事自体が無粋なのかも・・・
不満ばかりが多くなってしまったが、心をこじらせた人間の戯言です。
この映画を見てこのレビューに共感したのならば、あなたも心をこじらせていかも知れませんよ。
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劇中セリフより
「軽く二桁は経験あるのに・・・」
回数が多くても上手とは限らない。正に堤監督を表したセリフ。
言い訳か、照れ隠しか、自信の表れか、とにかく余計なことは言わないようにしよう。
家族、人間関係から生まれる心の闇が描かれている
大学生である娘が父親を殺したと言うニュースから始まる本作品。
なぜそのようなことに至ったのかと言うことを北川景子さんが演じる公認心理士、由紀が娘の心のケアを目的に取材することを軸に話は展開。
この事件を中心に進むものの、それ以上に人間の脆さや弱さが描かれているすごく重いテーマを扱っている。
誰しが抱える可能性のある心の闇、叫び、負のスパイラルが生む悲劇を見事に描いており後半のシーンでは涙を流す場面も。
割りきれない気持ちになると同時に自分は家族・友人・知り合いとしっかりと向き合えているだろうか。という事を考えさせられました。
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