「丁寧なドラマ」ファーストラヴ れもんすらいすさんの映画レビュー(感想・評価)
丁寧なドラマ
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まず、このタイトルで敬遠してしまう人がいるとしたらもったいないと思います。タイトルが想起させる甘いラブストーリーではなく、心の底の傷口を抉り出すようなドラマです。
芳根京子さんは朝ドラのときはなんかパッとしない印象でしたがその後、見るたびに素晴らしい才能を見せつけてくれます。内面に影を秘め、それを役に自在に解き放つように思え、本作でもそれを存分に楽しませてくれました。
北川景子さんも素晴らしかった。美貌がもてはやされる方ですが、そこには甘んじないという意思を感じました。今後さらに難しい役、汚れ役に挑戦してほしいと思います。
木村佳乃さんもいい意味で裏切ってくれました。鬼のような母親の一面と抑圧に潰されそうになりながら耐えている面を見事に演じていました。
中村倫也さん窪塚洋介さんもそれぞれ良かったですが、女性陣の存在感が大きかったです。
物語は息詰まる展開ですが、法廷シーンがあっさりしていていささか拍子抜け。一審で結審しちゃったんですかね? なぜなんでしょうか? 被告の意思でしょうか?そこをもう少しきちんと描いてほしいです。
それにしても子供を巡るさまざまな抑圧、虐待に胸が苦しくなります。こうしたことに対して自分は何ができるのか、問われているような気がしました。
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