「胸糞悪い映画」ファーストラヴ 笹本さんの映画レビュー(感想・評価)
胸糞悪い映画
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男性が女性を見る目の気持ち悪さ、不気味さ。もっと言えば男性の性欲の気持ち悪さを十全に表した作品。公式サイトではミステリーとありましたが、推理や謎解きといった類いの映画ではありませんでした。
私は男性ですが、それでも、いや、だからこそと言ってもいいかもしれませんね、最後まで本当に胸糞悪かったです。
この映画はその様に作られているので、これは製作者の意図した通りの正しい感想であると思います。そしてその様に作られた映画としてのクオリティは、とても高いのではないでしょうか。
ただ個人的には、結局ラストで環菜が殺人の罪に処された点が引っ掛かりました。殺人罪は不作為でも成立し無罪というのは不自然であること、完全なハッピーエンドはこの映画の主旨に反することは分かりますが、観客も主要人物たちも環菜に同情の余地が多分にあることを理解しているのですから、もっと気の利いた落とし所があったのではないかと思ってしまいました。例えば、エンディングで迦葉が触れていた推定無罪の話などを、環菜の裁判中にすべきだったのでは、と。
あと環菜を虐待していた母と手紙のやり取りを真壁が促しているようなシーンも蛇足でしたね。もう毒親と関わるな、逃げろ。
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