劇場公開日 2021年2月11日

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「辛いことから解放されるのは血を流した時だけでした。」ファーストラヴ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0辛いことから解放されるのは血を流した時だけでした。

2021年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

何かいわくあり気な関係と過去。それも、次第にそれをかかえているのは一人や二人じゃないのが明らかになっていく。ほぼ全員、なにかしらのトラウマか癖を抱えている。環菜の母だって、我聞だって。何かにすがりながら、どこかに寄りかかりながら、誰かにもたれながら、自分の弱みを隠して生きてきた人たち。彼女の過去を知ったうえでまだサイコパスと言い切れるのか。彼女を追いつめていった大人たちばかりを責めることは容易いが、もしかしたら、彼らがそうなった訳を辿っていけば、環菜の過去を知ったときと同じように、何かしらの真実が隠されてはいないか。
罪を責めることではなく、彼女自身を知ろうとしてあげたときにはじめて心を開いた環菜。自分を知ってくれる人がいるということが、これほどうれしく心強いものなのだ、と震えた。
ただ、タイトルはちょっと違うと思う。

栗太郎