「相変わらずの「だろう運転」映画」ファーストラヴ Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
相変わらずの「だろう運転」映画
休日のはしご観賞二本目にまあ新作だし
時間の都合も合うしであまり注目はして
いませんでしたが観賞
堤幸彦監督作品は「望み」も観ましたが
この監督は実情より「どうせこのテーマはこうだろう」
「どうせこういう職業はこう考えているんだろう」
「俺の映画よくできてるだろう」という
「だろう運転」映画だなあといつも思います
そのだろうがなんかズレてる感じがあり
どうも乗っていけない印象がいつもあります
今作もやはりそうでした
画家の父を殺害し逮捕されたた女性・環奈は
動機を語らず主人公の心理士の由紀は妙に
この女性の担当を引き受けるところから始まります
そして由紀は環奈の担当をする庵野という弁護士
の名に気が付きそれが夫の弟で元恋人である
という過去から由紀の過去をもなぞらえながら
話が進んでいきますがこれがまあ展開的に
嚙み合っておらずだんだん眠くなってきます
環奈の犯行の背景には父に無理やりモデルをやらされ
性的な虐待に関しても親が関心を示さなかった
といった背景が早い段階でわかっていくのですが
由紀の父も出張先で買春をしていたとか
クルマから写真が出てきたといった記憶から
トラウマに陥っている感じから環奈にシンパシー
を覚えているようですが
なんか釣り合っている感じがしませんし
プロがこんな主観で仕事するだろうかという
疑問が生まれてきます
このへんに「心理士とかって自分も過去に
そういう経験があるからそういう仕事してるんだろう」
みたいな作り手の思い込みを感じます
そういうとこがなんか不快に感じました
由紀の過去もトラウマのせいで男性に抱かれる
事ができず関係をうまく進められず
迦葉(この名前入れるのめんどくさい)と
うまくいかずその兄の無条件でやさしい我聞と
結局結ばれるとかそんなに関与してこない男性なら
付き合ってられるあたりいい加減な設定に感じて
さっぱり移入することができません
北川景子特有の上っ面な演技も手伝ってですが
でなんやかんやで環奈の境遇を理解し本人に会うと
本人は突然刺そうと思って刺したんじゃないとか
殺意の否定をし始めて話がややこしくなりますが
由紀は感情丸出しで環奈の言い分を肯定します
するとなんやかんやでトラックにひかれそうになり
(なんかこの人こないだもトラックにはねられてた気が)
無事だった割には色々バイタル管理されてる
ようわからん状態で今付き合ってる我聞は
もうフェミニストが理想化したかのような
すべてを受け入れて肯定し都合の悪いことは
一切聞かないでいてくれる男性像を披露し
もうちょっと現実感が感じ取れなくなってきます
で裁判では無茶振りされた迦葉は
頑張れるだけ頑張ってみましたが
結局環奈は情状酌量もされたが包丁自分で
買ってるし色々で懲役刑が下り服役します
生き生きと刑務所で過ごすシーンとか
なんかよくわからないエンディングで終わっていきます
えーとこの映画何がテーマなんだっけ
ファーストラヴってなんのこと?
ちんぷんかんぷんで終わってしまう映画でした
だからよくわからないまま思い込みで作られ
だろう運転で作られた映画だなと
感じてしまいました
芳根京子の演技は良かった?
彼女のポテンシャルを全然発揮できていません
のでこんな映画で評価できません
原作は女性だから映画版の監督も女性で
よかったんじゃないんですかね