「共感できるかできないかで評価は分かれる」ファーストラヴ 彬さんの映画レビュー(感想・評価)
共感できるかできないかで評価は分かれる
原作既読。
登場人物たちに共感できるかできないかで評価が大きく分かれる作品かと思います。
古傷をえぐるような、観る人によっては、特に女性はフラッシュバックが起きるようなシーンもあるかもしれません。
過去と、自分と向き合うことになった登場人物たちがもがく姿に何度も涙しました。
演者さんたちもよかったです。
(子役さんが、嫌な気持ちになっていないか、ケアされていたかはとても心配になりました)
北川さんはこんな表情見たことない、という表情を見せてくれました。
この作品に出てくる多くの登場人物たちは混乱しています。
その混乱の原因がなんなのかを探ろうとすると、自分と向き合うことになり、さらには自分を傷つけたもの、かつて自分を傷つけた人間たちとも向き合うことになります。
傷をかさぶたにするために美しい記憶に改竄したり。
傷のこと自体を忘れようとしたり。
しかしそうするのは、生きようとしているからなんですよね。
この作品の登場人物たちにまったく共感できない、退屈だと感じたのだとしたら、それは幸せなことだと思います。
こんなことは普通はない、こんな男たちはいない、と思った人もいるでしょう。
しかし、これが当たり前のような世界で生きている人たちもまた、いるからです。
女性にはもちろん、男性にも観てほしい作品だと思いました。
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