「心が痛い」ファーストラヴ ayakanさんの映画レビュー(感想・評価)
心が痛い
舞台挨拶の中継付で鑑賞。
そこで、本作は、2019年に撮影されたことを知りました。
撮影から1年以上経っての公開ということで、
心待ちにしていた方も多いのではないでしょうか。
公認心理師・真壁由紀(北川 景子さん)と
弁護士・庵野迦葉(中村 倫也さん)が、
父親の殺害容疑で逮捕された
女子大生・聖山環菜(芳根 京子さん)への面会を通じて、
動機を探っていきます。
由紀と環菜が面会を重ね、
環菜の内面や心理状態を深く探っていくことで、
辛い過去と複雑な家族関係が見えてきます。
環菜の置かれていた環境を考えると、
「心が痛く」なりました。
最後に、環菜に希望が見えてきてホットできましたが。
本作では、いくつかのストーリーが平行して描かれており、
それぞれで「心」や「愛」が描かれています。
個人的には、由紀の夫・我聞(窪塚 洋介さん)が、
由紀をやさしく見守っている「愛」が、
この映画の中で一番ホットでき、好きでした。
テーマが難しい映画だと思いますが、北川 景子さん、芳根 京子さん、
木村 佳乃さんは、難しい役どころを見事に演じ切られたと思います。
特に、由紀と環菜の面会シーンは圧巻です。
そして、中村 倫也さん演じる冷静な弁護士、迦葉もカッコ良かったです。
板尾 創路さん演じる父親役は、ハマリ役だと思います。
舞台挨拶で、堤 幸彦監督は、
編集で何度も壊して作り直したと語られていましたが、
一言では語り切れない、考えさせられる作品だと思います。
「ファーストラヴ」の解釈は、
観る人によって異なるのが話題のようですが、
「家族」「事件」「性」「裁判」「弁護士」「心理師」など、
様々な角度から考えることができそうですね。