「無償の愛とは」ファーストラヴ さくらんさんの映画レビュー(感想・評価)
無償の愛とは
観終わって、まず思ったこと。
自分の子供の育て方大丈夫だったかなと。ちゃんと受け入れてあげられてたかな、それでいいんだよって肯定してあげてたかなって自問自答でした…
あの男性の突如と現る独特な眼の感じ、すごくよくわかります。別に自分は父親にそんな目線は感じてませんでしたが、これ女性は理解できると思うけど、男性にもわかるのかな。
時に大人って、子供が間違っていることを正すのではなく、自分の価値観を押し付けて、さもそれが正しいかのように話すことありますよね。子供もまた深層を理解できないから、それを正しいものとして、自分がしたことは間違っていると思い込んで過ごしてしまう。
でも、それが続くと成長するにつれ、矛盾に気付いてくるけど、またそれに蓋をする。その蓄積で精神に歪みが出てくるんでしょうね。
ユキのお母さんが成人式の彼女に言ったこと、絶対におかしいことなのに、私達の間では解決したことだからって。そうじゃないよね。それ自分の旦那だからって認めていいことじゃない。お母さん、なんでそこでわかってあげられなかったかな。そこでユキを救ってあげれたらよかったのにね。
我聞以外の3人は親に対しての何かしらのトラウマを抱えていて、本当にこの作品で救いだったのは窪塚洋介さん演じる我聞でした。ユキの全てを受け入れて、ちゃんと話せる時まで待っててくれて、しっかりと受け止めてくれた。あの温かさと包容力はこれこそ愛です。
そして、環奈も心理士のユキが真摯に向き合って、受け入れてくれたことにより、初めて自分は間違ってなかったって、自己肯定することかできたんです。
芳根京子ちゃん、よかったです。
今までの芳根さんのイメージ、打破したと思います。また、これからもいろんな役への挑戦、ぜひみたいものです。
最初はなんとも悲惨なシーンから始まりましたが、最後は優しい温もりと未来への希望を感じた作品でした。