「我々の平和は気付かぬ犠牲の上にある!」サイレント・トーキョー ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
我々の平和は気付かぬ犠牲の上にある!
単身赴任になった10年ほど前からかな。映画館で鑑賞することが増えました。でも歳のせいでしょうか、忘れっぽいし、長い瞬きも増えたんだよね。
そんなわけで、定年後で時間の出来た今、以前見た映画を見直す日々が続いてます。鑑賞当時のレビューを読み直し、新たに書き綴っている次第です。
この作品も映画館で観た一本ですが、内容が思い出せない。あまり良い印象が無くて、渋谷の爆破シーンがスゴかったなくらいの記憶です。
今回見直して改めて感じたんだけど、最近の邦画って、かなり洋画っぽくなってきた気がする。 派手な見せ場は勿論なんだけど、昔の邦画って登場人物の掘り下げが半端なくて、アクション映画なのにほとんどがそこにとられていたような印象がある。
ところが本作品は100分弱、ポンポーンと展開して、すんなり見れました。
特に衝撃的なのは、やっぱり渋谷の爆破シーンですね。ホンッとスゴかった! 映画史に残るんじゃないかってほどの驚きです。何気にあのちゃんが出てたのにもビックリ。(すっかり忘れてましたけど)
西島さんの刑事もいつもながらカッコいいんだけど、昔なんかあったみたい。ところが、そこには触れずに話が進むからドキドキが継続できたんじゃないかな。
中村さんもいい味だしてた。一見、クールに振る舞う怪しい人物なのに、実は熱い想いがあったりして。
ワキを固める佐藤さん、石田さんのいぶし銀がまた良かった。あっと驚く結末!その語り人となる2人が、ホンっと印象的だった。何で、こんな衝撃的な内容、忘れちゃってたんだろう?
映画館で観たときには、それほどでもなかったのに、今回見直したら、この犯行理由はズッシーンとのしかかってきた。自分は、このままでいいのか?
確かに日本人って平和ボケしてると思う。それを否定するつもりはないし、生まれた時から争いのないこの日本に感謝している。
でも、本作品のなかで、爆破予告されている渋谷に祭りのように人が群がっていたのに対し、バカだよな~って思ったけど、現実に起こりそうな気も無きにしも非ず。集団心理か知らないけど、絶対に安全だと思い込んでるよね、みんな。
そして、今でも何処かで戦火に亡くなる人がいる。 人を殺める事が誉められる戦争という行為が、いつまでたってもなくならない。
日本でそれが起こっていないというだけであって、何時、巻き込まれてもおかしくない現実もある。 自衛官や報道カメラマンなど、実際に戦場を体験した人たちが、今の日本を見て、どう思っているんだろう?
ラストに流れるクリスマスソングが印象的でした。 物静かな歌声に平和を実感すると共に、底知れぬ恐ろしさを感じた気がします。
福田村事件への共感ありがとうございます。
劇場で観ましたが未投稿、よく目を醒まさせるんだ!と犯行に及びますが、覚醒した人々が自分の思った通り反応すると考えるのは非常に危険だと思います、それこそ戦時下の日本みたいな。