「共感性の低い「平和ボケボケ」映画」サイレント・トーキョー Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
共感性の低い「平和ボケボケ」映画
予告でちょっと面白そうかなと思ったので観賞
SPなどハードボイルドサスペンスに手慣れた制作陣
によるクライムパニックもの…
なのですがこの作品の予告非常に直前になって
やり始めて一カ月くらいで公開って感じでしょうか
こういう作品って大体嫌な予感がするものです
感想としては
・25年前に観たアニメ映画の傑作の劣化シナリオ
・あまりにご都合的なストローマン首相に辟易
・予算規模から読めるオチ
・そうはならんやろ
・そんなに平和ボケがいかんかよ
・誰も戦争なんか知らない
など不出来な映画に説教されると不快になりますねって出来でした
クリスマスイブに浮かれる東京・渋谷
とあるテレビ局に12時に爆破すると予告電話があり
嫌々ながら契約社員の来栖は先輩とその現場に行くと
突然その場にいた女性山口に突然座れと言われ
先輩が座らされ荷重が軽くなると爆発すると言われ
来栖は山口と館内放送をしに行けと言われます
来栖は飲み込めないまま警備室に行く間に12時を回り
ゴミ箱が爆発し先輩を置いてその場の人々は避難します
このおばさん誰みたいな反応をテレビマン2人はしますが
観客も同じだと思います
その爆弾って言うのも30kgの荷重を感知すると言う割に
ベンチの裏に吊り下がってるんでどうやって
感知してるんだよと色々ツッコミたくなりますが
爆弾処理班が液体窒素で凍らせれば止まる
(それより30kgの何かと取り替えろよ)
解体を実施すると音と光だけの爆発が発生
山口と来栖はそれを音で気が付きながらある場所へ向かいます
空っぽのマンションにテレビや機材が置いてある部屋に
2人は行きますがおそらく犯人の要求であろう
そこに置いてあるカメラで来栖は犯行予告をさせられます
どっからどう見ても犯人としか思えない自信満々な
声明をやっておきながらこれじゃ俺が犯人にされると
急に怯えだす来栖を山口は丁寧に慰めますが
来栖は犯人の要求どおりの次の行動に移ります
来栖がここまで指示に従うのは腕に爆弾を付けらた
からなんですが付けさせたのは山口なのです
ここまででもう山口が誰なのかよくわかりません
石田ゆり子ということしかわかりません
その犯行予告は首相と対話させなければ渋谷を爆破する
というもので警察は総出で警戒網を発令
時に意味も無くハードボイルド臭出す刑事の世田は
部下と渋谷周辺を聞きこみますがそこで
質問しても妙に落ち着いてたという「だけ」で
須永という若者を疑いはじめます
その須永は知り合った印南という女性から食事に
誘われていましたが横浜に用事があると断っていましたが
印南が友人高梨と渋谷を通りかかると横浜に
いるはずの須永が人混みの中いるのを見つけ2人は追いかけます
世田も部下とその須永を見つけ後をつけようと
しますが(なんでそんなすぐわかるんだ)
面白がって集まってきたバカのせいで現場は混乱し
そうしている間に時間が来て見つけきれなかった爆弾が
爆発し渋谷は大混乱に陥ります
あのー…現実でも昨今
どっかのバカがやった爆発予告電話とかよくありますけど
ちゃんと皆文句は言いつつも避難してますよね
そういうの知ってると渋谷に面白がって集まってくるバカ
っているのかとさすがに非現実的に思ってしまいます
あたかも作り手は民衆は愚民でバカと言わんばかり
さすが電通
まあ爆発シーンはなかなか凝ってるんですが
その集まったバカが巻き込まれてグチャグチャになっていく
シーンはさすがにかわいそうに思えてきます
平和ボケってこんな目に遭わないといけない程の悪なのかな
と思えてきます
なんとか動ける世田は現場を真っ暗闇の中ビルの屋上から眺める
男を見つけ(さっきからこの人はニュータイプかなんかか)
その男を追い詰めるとその男は来栖で犯人に要求されて
現場を撮影しろと言われていました
その後須永はやらされていたことを取り調べで話し釈放されます
えっ数時間前に動画投稿サイトで犯行予告した男を釈放?
せめて泳がせるくらいの理由つけるんだろなと思うと
なーんもなしの無能警察
来栖には正社員をエサにテレビ屋が豪華ホテルで
ヤラセインタビューをけしかけますがその場を逃げ出し退場
何の意味もありません
また爆発に巻き込まれて印南が重症を負い呆然とする高梨は
横浜におらず現場で平然としていた須永を怪しいと思い
家に押しかけ印南が死にかけたのになんで冷静なんだと
まくし立てると「俺はちゃんと50mは離れていた」みたいな
発言を残してその場をそそくさと立ち去り
そこで高梨は須永が犯人と確信し家を物色して
探偵に探らせた須永の父親の居場所(このへん作中の説明一切ナシ)
などを持ち出し警察に持ち込みます
おーい須永の家のカギは開けっぱなしか
その後須永はその待ち合わせ場所へ来ると
情報を得た世田が待ち構えており須永を取り押さえると
爆弾魔の正体は元自衛官の自分の「元」父親の朝比奈で
須永は母の再婚が決まった時にまた母を悲しませるなという
理由で爆弾事件を独自に追っていたのでした
50m離れろなどはその父から連絡されたことでした
なんで連絡してるのかはよくわかりません
渋谷行くなとかでよくね
もうこういうツッコミ疲れがこの辺でピークに達します
レインボーブリッジや東京タワーも爆破するとか言ってますが
あんな(セットで再現したらしい)渋谷爆発もうやっといて
そんなシーン撮る予算がもうあるわけないってわかってますからね(半ギレ)
で世田と須永は朝比奈がいる東京タワーが見えるレストランに
踏み込むと山口と二人でいるところで取り押さえようとすると
爆弾を見せつけて朝比奈は抵抗し山口と話を続けさせろと要求します
須永は父親にもう止めろと言いますがとぼけられます
すると山口はレインボーブリッジまで無事に行けたら解除コードを
教えろと朝比奈に言い出しその要求をのんでクルマが走り出します
この人達は何をやっているのかあんまりよくわかりませんが
もう観てる側もどうでもよくなっています
結局山口は共犯で夫が自衛官で外国で爆弾処理を行っている最中
戦争で家族を失った現地の子供が恨み節紛れに地雷を踏んで自殺
それがトラウマとなった旦那は妻守るためと妻に爆弾作りの
ノウハウを教えその後自殺したそうで朝比奈は同僚だったようです
戦争ができる国にしようとする日本の首相とそれを選んだ国民が
許せないから爆弾事件で懲らしめてやろうと思ったそうです
本当の戦争を教えてやりたいんだそうです
…もうツッコむのも嫌なんですが
お前も戦争知らないだろとしか言えません
その子供も戦地で地雷処理する自衛官を恨むのはあまりにお門違い
子供に訴えさせたりするとことかこれ共産党とか左翼のやり口みたい
ただでさえ軍隊のない日本の防衛方針を首相が考えるのは単に「仕事」
他に誰がやるのでしょう
結局そういった子供の勘違いレベルでそれを理解しない連中が
そもそもこうしたテロを起こして憎しみを生み
余計戦争を無くならないようにしているのです
だから自分達は意識が高いと思い込みイブで浮かれる世間を恨んでる
連中こそ「平和ボケボケ」と言えるのではないでしょうか
別に映画に中で犯人達の行動に批判的にメッセージを持つなら
まだいいのですが雑すぎてテロ賛美になりかけてるのがヤバい
前述の通り予算があるわけない爆破はされず
朝比奈と山口を乗せたクルマは「War Is Over」
というこれがやりたかっただけだろ的解除コードを伝えた後
レインボーブリッジからクルマごと転落し爆発
被疑者死亡のまま事件は収束していきます
勘違いテロリストに相応しい末路です
これならもう少し渋谷爆発は引っ張っても良いと思います
爆弾ものって爆発するまでの緊張感で引っ張るものですが
その緊張感がかなりぶつ切れになっていますから
(他にも問題がありすぎるけど)
この映画のシナリオは観た人ならお気づきの人も多いと思いますが
「劇場版 機動警察パトレイバー2」に酷似していますが
パクリと言いたくないほど劣化しています
劇パト2は25年前の映画ですが日本が戒厳令下におかれたらなど
バブル以後の日本人に強烈に刺さるテーマを持った傑作でした
だから四半世紀経ってまだこんなもん見せられるのかという気分です
洋画が入ってこない事で注目が集まった邦画ですがAI崩壊といい
ホラーもパニックものもろくなのがない1年で終わりそうですね
どっちも観ましたががっかりです