「良い人であるということ」無垢なる証人 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
良い人であるということ
検察側の証人で発達障害の主人公ジウと、被告弁護人スノの交流や事件の経緯、裁判の進展を見つめながら、良い人間であるという普遍的なテーマを扱った作品だ。
これまで、発達障害がテーマに組み込まれた作品では、
発達障害であってもなんら僕達と変わりない人であること、
発達障害の人にも様々な才能があることが、
物語の中心になっていたように思う。
同じ韓国映画の、「それだけが、僕の世界」では、ピアノの才能に溢れたサバン症候群のジンテと兄ジョハを中心にした家族の物語りだった。
そして、この映画は、
ジウの抜きんでた才能や、少女であるあどけなさ、優しい家族を見せつつ、ジウの正しく…、つまり、良い人であろうと貫かれる姿勢と、それに突き動かされるように、対立する立場にありながら、自身も正義とは何かを考え、今の地位を投げ打ってでも、真犯人を見つけようとするスノの心の動きに、胸が熱くなる。
既存のものの見方から逃れることが出来なかった対比から、良い人であるとは何なのかという問いが、2人を磁石のように結びつけていく。
日本映画、もっと頑張れ!と言いたくなる。
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