「明らかな脚本の練り込み不足」大仏廻国 The Great Buddha Arrival みるさんの映画レビュー(感想・評価)
明らかな脚本の練り込み不足
本作は実在した1934年の特撮映画『大仏廻国』を現代に蘇らせる名目でリメイクしたものです。
映画が始まると初代ゴジラの主役を演じた宝田明さんや、平成ガメラシリーズ3作全てに登場した螢雪次朗さんなどが登場して凄くワクワクします。
…しかし、この映画の見どころはそこだけで明らかな脚本の練り込み不足です。
出て下さった俳優さんたちに失礼なぐらいです。
元になった『大仏廻国』という映画のフィルムは第二次世界大戦で消滅。紙の資料もほとんど残っていないため、それを再現しようとするスタッフを主人公においたのはいいでしょう。「資料が残ってないのなら再現できないよー」と悩むスタッフをそのまま映像に入れるのも楽屋ネタみたいで楽しかったです。
しかしそれ以上の楽しみがありません。脚本を練ってないからです。
この映画の最大の魅力である「動かないはずの大仏が立ち上がり街を歩く」という部分も説明なく突然動くので物語上のカタルシスもありません。
いろいろ批判的なことを書きましたが般若心経などをモチーフにした音楽は素晴らしかったです。映像とも合っていました。
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