劇場公開日 2020年7月3日

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「みんな小寺さんに夢中…そう、観ている私も…ガンバ!と」のぼる小寺さん たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0みんな小寺さんに夢中…そう、観ている私も…ガンバ!と

2021年3月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

幸せ

『アルプススタンドのはしの方』と時を同じくして、青春の新たなマスターピースに名を挙げた今作。また違った光り方をしていて、とても良かった。

まず、丁寧に登場人物をフォーカスする「起」に驚かされる。101分と比較的短い作品ながら、彼・彼女が今どこに立っているのかを丁寧に描く。それは、小寺さんでも近藤でも四条でも皆隔てなく。よって、誰もが輝きだし、優しい雰囲気を造っていく。
脚本は『聲の形』や『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』といった、重厚で人間ドラマをアニメで描く吉田玲子さん。初めての実写映画の脚本ながら、さすがの執筆力でキャラクターを引き立ててゆく。だから、出てくる人みんなが愛しい。
また、キャストも厚い。小寺さんの工藤遥は初主演ながら、個性的で気になるあの子を体現。伊藤健太郎や小野花梨、鈴木仁、吉川愛といった実力派が脇を固め、見逃せない空気をつくる。
そうした中で、ボルダリングから「一生懸命」を肯定し、それぞれが輝きだす様はグッとくる。頑張ることを自然と出来る小寺さん、不思議なエナジーが心をポカポカにしてくる。

ガンバ!とつい、手に汗を握ってみてしまった。そう、私も小寺さんに夢中だったのだ。

たいよーさん。