劇場公開日 2021年7月9日

  • 予告編を見る

「人が発狂するまでのAZ」ライトハウス にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人が発狂するまでのAZ

2022年6月1日
PCから投稿

モノクロで真四角な画角。
これが最大のキモ。
スタンダードサイズでもないんですね。
このサイズが見ていて閉塞感を与え、
ずっと窮屈でリラックスして観られない。

暗い部屋。
狭い部屋。
連続する音。
金属音。
重労働。
まずい飯。
くだらない説法。
孤島(閉ざされた場所)。
話が交錯して真実が分からない。

これら全てカルト教団が信者を
洗脳するための要素だそうです。

この映画を一見すると
プロメテウスの話かな?ってなるけど、
そっち方面でイメージ膨らませると
全然面白くない。
知識人の自慰解説になっちゃう。

この映画は二人芝居としてスゴイ。
それだけで見た方がよい。
そしていつの間にか、
その閉鎖空間に見ている自分も
入ってしまうような感覚。
それがこの正方形の画角。

爺さんは初めから狂人なのか。
若造はどこから狂い始めたのか。
いや、狂ってるのは見ている自分なのか。
そのカタルシスに身を投じ、
灯を見た週間に発狂してしまうのか。
鳥に体をついばまれている錯覚に陥るのか。

そして鑑賞後、ここは孤島の灯台じゃない。
と、我に返る。

にゃろめ