「映画通のための映画」ライトハウス CINE LADAさんの映画レビュー(感想・評価)
映画通のための映画
映画を観て「よく分からなかった」とだけは言いたくない。当然伝える側の問題もあるのだろうが、それは恐らく意図によるもの。台詞や画、音楽や伏線など、監督が用意した点と点を消化できない観客にも責任はあるのだ。チェスも当然ルールを知らなければ面白くない。誰にでも分かるようにやさしく人間の奥底に眠る感情を垣間見たいのであれば、名探偵コナンやクレヨンしんちゃんなどを観ておけばよいのだろう。ちなみに私はチェスを知らない。
そんな嫌味を前提に、この映画は私には難しすぎた。悔しい。悔しいけど勉強してまた観よう!とは思わない。映画は楽しいのが一番。そう、コナンもクレしんも恥じる必要はないのだ。
いびつにすら感じる独特なアスペクト比と終始色のない世界。狂った演技に理不尽に見える暴力。しかし懐古主義を楽しむためには「古」を知る必要がある。ギリシャ神話や米文学など博識な人にはたまらない作品なんだろう。羨ましい。そんな人間に育ちたかったと本気で思う。
でも、そんな人たちと友達になろうとは思わないかもしれないな。
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