「お~いら岬の~♪灯台守は~♪」ライトハウス kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
お~いら岬の~♪灯台守は~♪
日本での灯台守の映画の代表作『喜びも悲しみも幾年月』(1957)は夫婦、家族で灯台守をするのが通例だった頃の映画。まさかこの『ライトハウス』での人間関係が真逆の醜い部分ばかり表現しているとは・・・
中盤までは時系列通りに、パワハラ上司さながらのウィレム・デフォーが新人いびりをするといった孤島での陰湿劇。4週間という期限も終わりに近づくと仲良くなってる二人だったが、その後が妄想や悪夢も加わって理解不能になった。それは現実?それとも願望?といった感じで。
最初から気になってたのがレンズの管理は自分の領域だと拘っていたデフォー。代名詞は“she”であることから、女性を象徴しているものだと感じ取れる。やりたくてしょうがないパティンソンだったが、途中からは自分も“人魚”に夢中になってしまったからあきらめたようだった。
男二人が1ヵ月も閉じこもっていたらおかしくなる。心の中の醜い部分が露呈してくるものだと思う。さらに嵐のために連絡船もやってこず、アルコールも無くなり、精神状態にも影響を及ぼす後半戦。攻撃的な人間になったり悪夢にうなされたり、もう、わや!結局、以前助手だった男は本当に殺されていたのか?4週間以降何日経っていたのか?不明な点は多いし、デフォーのセリフはどこまで本当のことだったのかもわからない。ラストのカットはモノクロであることもあってグロテスクでもあり美しくもある・・・のだと思う。
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